AI 導入の稟議に何を書くか — ROI は単位から、リスクは 4 つの欄から
稟議書に製品のカタログを写しても、決裁者は判断できません。書くのは効果の単位と費用の層とリスクの欄です。
効果は「単位」から
| 書くこと | 例 |
|---|---|
| 何を数えて課金されるか | 人(席)/クレジット/トークン/枚数/実行回数 — 製品ごとに違う |
| 業務の単位に割り戻す | 月額 ÷ 月の処理件数 = 1 件あたり。月額 ÷ 使う人数 = 1 人 1 か月あたり |
| 上限を超えたとき | 止まるのか、超過課金なのか。答えられない製品は「不明」と書く |
単位が違う製品を並べても比べたことになりません。単位のそろえ方は 料金は何を数えているか に置きました。
費用は 3 層に分ける
AI ツールも連携と同じで、費用は AI 本体・つなぎ役(iPaaS・RPA)・作る人(設定・検証・運用) の 3 層に分かれ、公開価格があるのは真ん中だけです。稟議書には、公開価格が無い層について「何を前提に見積もったか」を書きます。
リスクは 4 つの欄から
| 欄 | 稟議書に書くこと |
|---|---|
| 学習利用 | 入れた内容が学習に使われる既定か、止められるか。法人向け契約の既定を原文つきで |
| 保管場所 | どの国に置かれるか。取引先・個人情報を入れるなら読める製品に限る |
| 持ち出しと削除 | やめたら書き出せるか、いつ消えるか — 失敗したときの出口を先に決める |
| ログインの管理 | 会社が誰が何を入れたか見えるか(SSO・管理コンソール) |
4 つの欄は RenkeiMap の AI ツール一覧 の製品のページに原文と出典つきで置いてあります。稟議書にはその原文を引き、製品の評判や「安全と聞いた」を書かないでください。社内の規程にこの 4 つをどう書くかは 社内の AI 利用規程に何を盛り込むか に置きました。
稟議書の骨子
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | どの業務の、どの作業を、誰が減らすのか(人数と時間) |
| 効果 | 課金の単位 → 業務の単位に割り戻した費用 → 減る時間との比較 |
| 費用 | 3 層。公開価格が無い層の前提 |
| リスク | 4 つの欄と原文。入れてよい情報の線 |
| 出口 | やめるときの持ち出しと削除。切り替え先 |
こう決める — 稟議を書く手順
| 順 | 手順 | こう判定する |
|---|---|---|
| 1 | 減らしたい作業を 1 つ選び、いまの人数 × 時間を数える | 数えられない作業は稟議に書かない。まず 1 か月測る |
| 2 | 候補の製品の課金の単位を調査記録で読み、業務の単位に割り戻す | 単位が読めない製品は「不明」と書く。単位の違う製品同士を並べない |
| 3 | 費用を 3 層に分け、公開価格が無い層の前提を書く | 作る人の層が見積もれないなら、まず小さく試す稟議にする |
| 4 | リスクの 4 つの欄を原文つきで埋める | 空欄が 1 つでもあれば、その用途に入れる情報の段を 1 つ下げる(取引先・個人情報を入れない) |
| 5 | 出口(やめるときの持ち出し・削除・切り替え先)を書く | 出口が書けない製品は、試す期間を短くして再稟議にする |