IT連携マップシステムどうしのデータ連携・接続仕様のまとめ

行政への届出を自動化するか — 自分で作るか、対応ソフトを選ぶか

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導入前 — この製品を入れてよいか・いまの契約で使えるか最終更新 2026-09-14約 1,700 字

「社会保険の届出も、補助金の申請も、自動でできませんか」と聞かれたとき、答えを「API があるか」で探すと行き止まりになります。決めるのは、その仕事をどこに任せるかです。


決めるのは「作るか」ではなく「どこに任せるか」

行政手続の自動化の3つの道を上から並べた図。1自分でAPIを呼ぶ(申請を出せると確認できたのはe-Gov電子申請だけ)、2対応ソフトに任せる、3様式を埋めるところまで機械にして提出だけ人がやる
行政手続の自動化の3つの道を上から並べた図。1自分でAPIを呼ぶ(申請を出せると確認できたのはe-Gov電子申請だけ)、2対応ソフトに任せる、3様式を埋めるところまで機械にして提出だけ人がやる
こういうときに選ぶ 最初に確かめること
自分で API を呼ぶ 出す口が公開されていて、件数が多く、社内システムに元データがある 電子証明書を用意できるか。専用アプリの導入が要らないか
対応ソフトに任せる 届出が制度どおりで、様式も毎年変わる その製品が提出への対応を明記しているか
手前まで機械にする 出す口が無い、または年に数回しか出さない 様式が公開されているか。一括で出す口があるか

3 つ目を「妥協」と読まないでください。行政の届出は様式が先に決まっているので、内容を作る工程は最初から機械に向いています。残るのは提出の一手です。

届出の種類で答えが変わる

出したい届出 出す口 決め方
社会保険・労働保険 e-Gov 電子申請に公開 API があり、申請を出せる 人事労務のクラウドサービスが提出まで組み込んでいる。まず製品を探す
税務申告(国税・地方税) 国税は読み取りのみ。地方税は対応ソフト開発者向けに申込制 対応ソフトを選ぶ。地方税は対応ソフトの一覧が公開されている
補助金 補助金情報を読む API はあるが、申請は出せない 探す工程だけ自動化する。申請は画面で出す前提に置く
自治体への申請 外部の開発者に向けた公開 API は見当たらない 提出は画面。提出後のデータの取り出しに範囲を絞る

同じ「行政への届出」でも、4 行で答えが違います。先に決めるのは手段ではなく、どの届出の話をしているかです。ここを曖昧にしたまま開発会社に相談すると、見積もりが「調査」から始まります。1 件ずつ調べた根拠は 役所への届出は自動化できるか に、各システムの欄は RenkeiMap の調査記録 に出典つきで置いてあります。

「手前まで」で何が減るのか

工程 機械にできるか 前提
様式に何を書くか調べる できる 様式と項目が公開されている
項目を埋める できる 元データが社内システムにある
内容を点検する 一部できる 必須と桁の決まりが様式に書かれている
提出する 出す口がある届出だけ 電子証明書・アカウント・対応ソフト
控えと結果を保管する できる 画面から書き出せる形式がある

5 行のうち提出の 1 行だけが、出す口の有無で決まります。残りの 4 行は、出す口が無い届出でも機械にできます。 内容証明のように、決まった雛形をアップロードする方式であれば、雛形を作る工程は自動化できて、提出だけ人がやる形になります。

費用は 3 層に分かれ、行政ではもう 1 つ増える

行政の届出には、この 3 層のほかに制度側の手続きの費用が乗ります。電子証明書の取得と更新、GビズID のアカウント作成、二要素認証に使うスマートフォン、対応ソフトの年額。どれも公開価格を調べれば分かりますが、連携の見積もりには入っていないことが多いので、稟議の前に足しておきます。

そして 3 層のうち一番読みにくい「作る人」の層は、行政では制度改正のたびに戻ってきます。様式が変わると、埋める処理も直ります。対応ソフトを選ぶ道が有利なのは、この保守を製品側が引き受けるからです。

こう決める — 届出ごとの手順

手順 こう判定する
1 自動化したい届出を 1 つに絞り、年間の件数と、いま誰が何分かけているかを数える 年に数回しか出さない届出は、自分で作る対象から外す
2 その届出に出す口があるかを確かめる(社会保険・税務・補助金・自治体のどれか) 出す口が無いと分かっても止めない。工程を分けて 3 へ進む
3 提出まで対応を明記した市販ソフトがあるかを探す 明記があれば、自分で API を呼ぶ案は捨てる。保守も相手に移る
4 出す口も対応ソフトも無い届出は、様式を埋めるところまでに範囲を狭める 様式が公開されていれば埋める処理は作れる。提出は人の一手として残す
5 提出後の控えと結果を、どの形式で社内に戻すかを決める 書き出せる形式が無い届出は、この工程も人の作業として見積もる

2 番目で「無い」と分かっても、そこで終わりにしないのが行政手続の勘所です。 様式が公開されているという行政だけの条件があるので、範囲を狭めれば、減る手間のほうが先に残ります。

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