ローコードとは何か — 自分で器を作る道具で、データは自社が持つ
ローコードと表計算は、業務の器を自分で作る道具です。工場に例えると、点線で描かれた組み立て中の機械 — まだ形が決まっていない機械を、自分で組み立てているところです。
つなぐ道具ではなく、システム側
自動化の地図では、道具は「データを持つ側」と「つなぐ側」に分かれます。ローコードと表計算(kintone・Google スプレッドシート・Excel など)はデータを自分で持つので、システム側です。
この区別が効くのは、見積もりと設計のときです。ローコードで作ったものは繋ぐ相手であって、繋ぐ手段ではありません。
繋ぐときは、他のシステムと同じ 3 つの面
| 面 | ローコードでの見え方 |
|---|---|
| API | 製品として用意されている(kintone は公開 API と MCP サーバーの両方) |
| CSV | 書き出しと取り込みは、たいてい標準機能 |
| 画面 | 自分で作った画面。項目も自分で決めた |
面の読み方は ファイル連携 と 画面連携 と同じです。純正連携の一覧が大きい製品もあり、kintone の公式ディレクトリには連携サービス 422 件が掲載されています(純正連携の一覧の読み方)。
自分で作った器の、外からの見えにくさ
ローコードの特徴は、項目が現場ごとに違うことです。同じ kintone でも、A 社のアプリと B 社のアプリは別の器です。だから外から「何が入っているか」は分からず、対応表は自社で持つ前提になります。| 器の種類 | 中身の比べ方 | | --- | --- | | 製品が決めた対象(請求書・従業員など) | 製品どうしで比べられる | | 利用者が形を決める入れ物(ローコードのアプリ・表計算のシート) | 比べない。中身は現場ごとに違う |
調査記録でも、利用者が形を決める入れ物は中身を比べません。各製品の API・CSV・画面の欄は RenkeiMap の調査記録 に出典つきで置いてあります。
調査記録で確かめる
ローコード・表計算・BI のカテゴリで見ます。純正連携と API の 2 列です。
比較項目:
| システム | 業務ワークフロー円滑度 | |
|---|---|---|
| 公式連携 | API/MCP | |
| FileMaker | Claris ConnectFileMaker WebDirect静的公開カスタム Web 公開 REST を書いたことがない人向けの道として、Claris Connect(クラウド統合基盤)・FileMaker WebDirect・静的公開・カスタム Web 公開を、Data API ガイド自身が並べている。 | ◎FileMaker Data APIODataODBC / JDBC REST の口が 2 本、SQL の口が 1 本ある。Claris 自身が「次の REST API を使用できます」として FileMaker Data API と OData を並べており、別に ODBC / JDBC がある。ただし どこに置いたかで届く口が変わる — ODBC / JDBC でデータソースとして共有するのは FileMaker Cloud ではサポートされていない、と ODBC と JDBC ガイドが明記している。REST 系の口が向くのは Server と Cloud の共有データベースで、手元の FileMaker Pro のファイル単体ではない。 置き場所で口が変わる — 連携を考える最初の分岐がここ。 ベンダー公表API ソリューションの比較…()ほか 3 件
採取元: API ソリューションの比較・Claris FileMaker Data API ガイド・Claris FileMaker OData API ガイド・ODBC と JDBC ガイド(第 1 章 はじめに)・ODBC と JDBC ガイド(データソースとしての FileMaker Pro データベースの使用)・API ソリューションの比較(OData の利点)
調査日 |
| Google スプレッドシート | SalesforceIntuitAsanaWorkspace Marketplace独自のアドオンを構築 名指しで挙がるのは Salesforce・Intuit・Asana で、いずれも Workspace Marketplace からアプリを入れて使う形。自前のアドオンを作ることもできる。 | ◎スプレッドシート IDシート ID公開 API 公開 API(Google Sheets API)でシートの読み書きができる。対象はスプレッドシート・シート・セル(セルは行と列の座標で指す。セルに固有の ID は無い)。 |
| kintone | 公式ディレクトリあり掲載 422 件 公式連携サービスディレクトリに 422 件掲載(価格・レビュー・業種タグつき)。 ベンダー公表kintone プラグイン・…()ほか 1 件
kintone 連携サービス検索(データは公開 JSON を確認) 編集部確認 ℹ️422 件は編集部が公式ディレクトリの機械取得 JSON(kintone_integrate_directory.json・2026-08-01)を数えた値。
採取元: kintone プラグイン・連携サービス公式ページ
調査日 | ◎公開 APIスタンダード以上で利用可コース別のレート上限 プラグイン・連携サービスはスタンダードコース以上と公式が散文で明記している。API リクエスト数の上限はコース別に価格表で公開。 |
| Microsoft Excel | Office アドイン Office アドインという公式の拡張の仕組みがあり、Excel の中に自分たちの画面と処理を差し込める。アドインは Web の技術で作る。 | ○Microsoft Graphビジネス プラットフォームAPI Microsoft Graph の Excel REST API。ブックが OneDrive for Business / SharePoint サイト / グループ ドライブに在ることが前提で、手元(ローカル)に保存したブックには届かない。個人向け OneDrive のブックも対象外。 ベンダー公表Microsoft Grap…()
採取元: Microsoft Graph での Excel の操作(対象)・Microsoft Graph での Excel の操作(コンシューマー向け OneDrive は対象外)・Microsoft Graph での Excel の操作(対応ファイル形式)
調査日 |
| Notion | パブリックAPIAI コネクター埋め込みSCIM/SSO マーケットプレイスに一覧がある 他アプリとの接続は「コネクト」としてまとめられ、マーケットプレイスに一覧がある。種類はパブリック API、AI コネクター、埋め込み、SCIM/SSO の 4 つで、分野・開発元・価格でも絞り込める。Datadog、Splunk、Loom、Canva、Microsoft Entra ID などが並ぶ。一覧は途中で追加読み込みする作りのため、全体の件数は表示されていない。 | ◎公開APIMCPOAuthWebhook 公開 API と MCP サーバーの両方 編集部確認 REST の公開 API があり、Notion 自身がホストする MCP サーバーもある。接続の作り方は 2 通りで、ワークスペースの中で作る内部コネクトと、利用者に許可を求める公開コネクト(OAuth)。リファレンス、版ごとの変更点、SDK、Webhook の案内は開発者サイトにまとまっている。料金ページの機能比較には「パブリックAPI」という行があるが、プランごとの可否は画像のチェック印だけで示されており、文字としては書かれていない。 編集部確認API リファレンス(はじめ…()
API リファレンス(はじめに) 編集部確認 ℹ️確かめ方: 開発者サイトのリファレンス・リクエストの上限・版の管理・認証の各ページと、配布されている OpenAPI の仕様ファイルを保存して読んだ。
採取元: API リファレンス(はじめに)
調査日 |
| Salesforce Platform | AppExchangeMuleSoft 連携はマーケットプレイス AppExchange(パートナーアプリ)と、Salesforce が所有する統合 API プラットフォーム MuleSoft が担う(AgentExchange という SaaS マーケットプレイスも運営)。 | ◎REST API API あり。REST API ほか複数の Web インターフェースで、画面を使わずに Salesforce のデータへアクセス・操作できる。 |
◎ 条件なしで当てはまる ○ 条件つき・一部 △ 限定・要申請・無いと明記 × 当てはまらないと明記 ? 編集部がまだ確認していません ― 提供元が公開していない(編集部が調べた) — 記号は編集部の札から機械で付けています。物差しは項目ごとに違い、列の見出しがその項目の意味です。札の意味と根拠は各セルの要約を押すと出ます。
材料の調査日(最新): 2026-09-10
調べた範囲:本文の件数は、編集部が一次調査を終えて公開しているシステム・道具の中で数えた値です。日本のローコード製品全体ではありません。各欄の原文・出典と調査日は、名指しした製品のページに入っています。