AI-OCR で読んだ後、データはどこへ渡るのか — 5 製品の出口
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AI-OCR(紙やPDFの文字をAIで読み取ってデータにする道具)を調べると、比較記事はたいてい「どれくらい正確に読めるか」を並べています。
でも、導入して実際に困るのはその後のほうです。読み取った結果は、うちの会計ソフトに入るのか。 それとも誰かが CSV を開いて、また手で貼り付けるのか。
5 製品の公式ページに書かれている「出口」を、名前のまま全部並べるとこうなります。
CSV / CSV(AIRead形式)/ XML / XML for WAGBY / サーチャブルPDF / JSON / Excel / Web API / ETL オプション / RPA 用コネクタ部品 / SmartRead AutoLoader / スマートOCR LOADER / スマートパシャリ / JENKA / LINE WORKS Drive / Salesforce / FUJIFILM IWpro / SAP / OBIC / Oracle / Dynamics / MS-SQL / PostgreSQL / MySQL / メインフレーム / オフコン / WinActor / UiPath / BizRobo!
この中に、あなたが毎日使っているシステムの名前はありますか?
結論から書きます。
出口は 5 件とも CSV です。 Excel まで出せるのは 1 件だけでした。 受け渡し先を製品名で名指ししているのは 4 件。1 件は、相手の名前を 1 つも挙げていません(「API連携」と「CSV出力」の 2 つだけ)。 freee・マネーフォワード・弥生・kintone・奉行・PCA・SmartHR・ジョブカン・楽楽精算——日本の中小企業がよく使うクラウドの名前は、5 件のどのページにも 1 つも出てきませんでした。
そして、調べていて一番はっきりしたのはここです。
紙の入力が消えるかどうかは、OCR の性能ではなく 読んだ先を誰が持っているか で決まります。
まとめ
契約前に聞くとよい質問を、ここで出てきた事実からそのまま作ると、5 つになります。
- その製品の旧称は何ですか。(1 つの製品が 3 つの名前で流通していた例があります)
- うちの◯◯(会計ソフト名)へは、何を経由して入りますか。 CSV を人が入れるのか、API を誰かが作るのか。
- API の仕様書は、契約前に見せてもらえますか。(「契約後にご案内」と書いている製品があります)
- 読み間違えたとき、後続の処理は止まりますか。それとも流れますか。(5 件とも公開ページには書かれていませんでした)
- 確認する人は、うちが用意しますか。それとも料金に含まれますか。
各製品の「出口の形」「名指しの受け渡し先」「API」「確認の仕組み」は、出典 URL と調査日つきで IT連携マップの道具の調査記録に 1 件ずつ載せています。業務システム側(invox など)は システムの調査記録のほうです。
ここから先は調査の詳細です(約 17 分)。上のカードだけで決められます。調べた 1 件ずつの記録は IT連携マップ に、出典 URL と調査日つきで公開しています。
調査の詳細
このページの答えは、以下の調べで出しました。対象・確認時期・出典を並べます。
そこで、編集部の調査記録にある AI-OCR 5 製品について、読み取った後の受け渡し先だけを 1 件ずつ書き出しました。公式サイト・よくある質問・利用規約・約款を読んだだけで、実装はしていません。(すべて 2026年8月26日 時点の公開情報です)
では、誰が最後まで運んでいるのか
ここまでの 5 件は、CSV か API までで手を離します。 では仕訳や振込データまで運んでいるものは無いのかというと、あります。OCR を自分の機能として内蔵している業務システムのほうです。
| システム | OCR の位置づけ | どこまで運ぶと書いてあるか |
|---|---|---|
| invox 受取請求書(調査記録のページ) | 自社の機能として内蔵 | 「確認したデータは、会計システムやオンラインバンク、ERPと連携し、支払・仕訳計上業務を自動化します。」 |
| マネーフォワード クラウド債務支払 | 自社の機能として内蔵 | 「支払・仕訳 銀行振込API連携でワンクリック振込に対応し、会計ソフトに支払仕訳を連携できます。」 |
invox は**「取り込んだ請求書は、AIがレイアウトを認識して明細までデータ化」したうえで、「さらにオペレータが確認することで、どんな形式の請求書でも99.9%以上のデータ化精度を保証します」**と書いています(invox受取請求書)。
この 99.9% は「人が確認したうえで」の数字です。AI-OCR 単体の読み取り精度ではありません。 前の 5 件と同じ表に並べて比べることはできません。
マネーフォワード クラウド債務支払は、AI-OCR で「支払先」「支払期日」「請求金額」「適格請求書発行事業者登録番号」を読み取り、その登録番号が国税庁に登録されて有効かを自動判定すると書いています(機能のご紹介)。
読む対象を請求書に絞ると、受け渡し先まで込みで設計できるということです。
どんな紙でも読める道具は、出口が CSV で終わります。 請求書しか読まない道具は、振込データまで運びます。
どちらが良いという話ではありません。 うちが困っているのが「請求書だけ」なのか「注文書も申込書も検査記録も」なのかで、探す棚が変わります。
注記 invox とマネーフォワード クラウド債務支払は、業務システムの調査記録に別の様式で載っているシステムです。調査日も別です(invox は 2026年8月9日、クラウド債務支払は 2026年8月14日)。前半 5 件と同じ表に並べていないのは、そのためです。
ここでの調査範囲について
- 実装していません。 公開資料と、編集部の調査記録を読んだだけです。動かした結果は書いていません。
- 対象は、編集部が AI-OCR に分類している 5 製品です。日本の AI-OCR 全体ではありません。「5 件中 0 件」を「日本の 0%」と読み替えることはできません。
- 確認時期は 2026年8月26日 です(invox は 2026年8月9日、マネーフォワード クラウド債務支払は 2026年8月14日)。規約も価格も月単位で変わります。数字はすぐ古くなります。
- 「公開情報を確認した範囲では見つからなかった」と「提供していない」は区別しています。 前者は探した URL を記録しています。後者は書いていません。
- 読み取り精度は比べていません。 5 件のどの公式ページにも認識率の数字はなく、さらにスマートOCR は約款 第21条第2項で、契約者が「OCR 変換結果、OCR 変換精度もしくは変換速度等に関する情報、画面イメージ等」を同社の承諾なく公表または第三者に開示することを禁じています(契約約款)。自分で読ませて測っても、少なくとも 1 社については公表できません。
- どれが良いという順位は付けていません。 並べたのは、選ぶ基準を読者が自分で当てられるようにするためです。
- 学習利用と料金の数え方は、ここでは扱いません。 それぞれ別の記事で、5 件(および他の AI ツール)をまとめて並べます。
まず件数から。6 ではなく 5 でした
編集部の調査記録で「AI-OCR」に分類している製品を機械で数え直したところ、5 件でした。
| 製品名(公式) | 提供元 | 提供元の国 | 編集部の調査記録 | 調査日 |
|---|---|---|---|---|
| AIRead(エーアイリード) | アライズイノベーション株式会社 | 日本 | 調査記録のページ | 2026-08-26 |
| DX Suite(ディーエックス スイート) | AI inside 株式会社 | 日本 | 調査記録のページ | 2026-08-26 |
| LINE WORKS OCR(現行の SaaS 名は LINE WORKS PaperOn) | LINE WORKS株式会社 | 日本 | 調査記録のページ | 2026-08-26 |
| スマートOCR | 株式会社インフォディオ | 日本 | 調査記録のページ | 2026-08-26 |
| SmartRead(スマートリード) | 株式会社Cogent Labs | 日本 | 調査記録のページ | 2026-08-26 |
社内の計画では 6 件のつもりでした。減った理由が、そのまま読者に役立つ事実です。
「CLOVA OCR」と「LINE WORKS OCR」は同じ製品です。 2024年1月31日に改名され、現在の SaaS 版はさらに「LINE WORKS PaperOn」という名前で提供されています(名称変更のお知らせ)。
つまり 1 つの製品が 3 つの名前で流通しています。 相見積もりを取ると、別々の製品として並ぶことがあります。「その製品の旧称は何ですか」は、検討の初日に聞いてよい質問です。
5 件とも調査日は 2026年8月26日 でそろっています。古い調査と新しい調査を混ぜた比較ではありません。
出口のかたち — 全件が CSV、Excel は 1 件だけ
「読み取った結果をどの形で受け取れるか」を、公式ページの記載だけで数えました。
| 出口の形 | 出せる件数 | 製品 |
|---|---|---|
| CSV | 5 | 5 件すべて |
| サーチャブル PDF | 3 | DX Suite / スマートOCR / SmartRead |
| JSON | 2 | DX Suite(全文読取のときだけ)/ スマートOCR(API の返り) |
| Excel | 1 | SmartRead のみ |
| XML | 1 | AIRead(オンプレミス版のみ。XML for WAGBY を含む) |
読み取り精度の話をする前に、この表がすでに 1 つ答えを出しています。AI-OCR が標準で吐くのは、いまも CSV です。
細かいところに、実務で効く違いがあります。
- DX Suite の CSV は文字コードを Shift JIS と UTF-8 から選べ、初期設定は Shift JIS です(よくある質問)。受け取る側が UTF-8 前提だと、そのままでは文字化けします。
- スマートOCR の CSV は出力項目の選択・並べ替え・文字コード・区切り文字・ファイル名を変更できると書かれています(スマートOCR API)。取り込む側の様式に合わせやすい形です。
- SmartRead は Excel・CSV・サーチャブル PDF を出せ、文書ごとの分割出力も 1 ファイルへの結合出力も可能と書かれています(SmartReadができること)。
「CSV が出せる」は「つながる」ではありません
CSV が出るということは、そのファイルを誰かが受け取って、どこかへ入れる工程が残るということです。人が開いて貼り付けるのか、フォルダを見張るプログラムが取りに行くのか、RPA が拾うのか。そこを決めるのは AI-OCR 側ではありません。
だから次の節が本題になります。受け渡し先の名前を、ベンダーが書いているかどうか。
受け渡し先を「製品名」で書いているか
ここが、5 件で最もはっきり割れました。公式ページに固有名詞で挙がっている相手だけを拾っています。
| 製品 | 公式に名指しされている受け渡し先 |
|---|---|
| AIRead | ERP は SAP・OBIC・Oracle・Dynamics / データベースは Oracle・MS-SQL・PostgreSQL・MySQL / RPA は WinActor / メインフレームやオフコンとの連携も記載 |
| DX Suite | 1 つもありません(挙がっているのは「API連携」と「CSV出力によるデータ連携」の 2 つだけ) |
| LINE WORKS OCR | LINE WORKS Drive(自社サービス)。ほかは「自社システムやRPA」「会計システム、文書管理システム」という一般名にとどまる |
| スマートOCR | Salesforce(双方向)/ FUJIFILM IWpro(双方向)/ データ連携ツール JENKA |
| SmartRead | UiPath / BizRobo! / WinActor(呼び出すためのコネクタ部品を無償提供) |
数え方を分けると、こうなります。
| 名指しの種類 | 件数 | 製品 |
|---|---|---|
| 業務システムを名指し | 2 | スマートOCR(Salesforce)/ AIRead(SAP ほかの ERP・データベース) |
| RPA 製品を名指し | 2 | SmartRead(UiPath・BizRobo!・WinActor)/ AIRead(WinActor) |
| 自社サービスのみ名指し | 1 | LINE WORKS OCR(LINE WORKS Drive) |
| 相手を 1 つも名指ししていない | 1 | DX Suite |
AIRead は 2 つの行に出てきます。 名指しの数がいちばん多い製品です。ただし条件が付きます。
「連携には ETL オプションが前提となる」(AIRead 機能ページ/よくある質問に記載)
ERP やデータベースの名前が並んでいても、そのまま素で届くわけではありません。 名前が多いことと、追加の道具が要らないことは別です。
DX Suite が名前を挙げていないのは、書き漏らしではなく方針だと読めます。 よくある質問には、こうも書かれています。
「システム開発は当社では行っていないため、APIを活用した前後の連携はお客様側で実装いただく必要があります」(DX Suite クラウドサービス仕様書 第4.0版・よくある質問)
「読むところまでが自分たちの仕事で、その先はお客様の仕事です」と、正面から書いてあります。 これは不誠実ではなく、境界がはっきりしているという意味でもあります。見積もりを取るときに、その先の工数を誰が持つかが最初から分かるからです。
名指しされた相手を、編集部の調査記録と突き合わせました
名前が挙がっていても、それがあなたの会社が使っているものとは限りません。 そこで、編集部が別に一次調査している業務システム 68 件と、AI・自動化ツール 66 件(この AI-OCR 5 件を含む)の調査記録に照らしました。
| 名指しされた相手 | 名指しした製品 | 業務システム台帳(68件) | ツール調査記録(66件) |
|---|---|---|---|
| Salesforce | スマートOCR | 収録あり | — |
| WinActor | AIRead / SmartRead | — | 収録あり |
| UiPath | SmartRead | — | 収録あり |
| BizRobo! | SmartRead | — | 収録あり |
| JENKA | スマートOCR | — | 収録あり |
| LINE WORKS Drive | LINE WORKS OCR | 収録なし | — |
| SAP・OBIC・Oracle・Dynamics ほか | AIRead | いずれも収録なし | いずれも収録なし |
| FUJIFILM IWpro | スマートOCR | 収録なし | 収録なし |
調査記録と重なったのは、Salesforce と、UiPath・WinActor・BizRobo!・JENKA という運び屋のほうでした。
探したけれど 1 件も出てこなかった名前
5 件の調査記録を、注記や規約の引用まで含めて全文検索しました。探した語と、見つかった数をそのまま出します。
| 探した名前 | 5 件のうち出てきた数 |
|---|---|
| freee | 0 |
| マネーフォワード(Money Forward・MFクラウド) | 0 |
| 弥生 | 0 |
| kintone / サイボウズ | 0 |
| 奉行 / PCA / 大蔵大臣 | 0 |
| SmartHR / ジョブカン | 0 |
| 楽楽精算 / invox / Sansan | 0 |
| Salesforce | 1(スマートOCR) |
| SAP | 1(AIRead) |
日本の中小企業がよく使う会計・人事クラウドの名前は、5 件のどの公開ページにも 1 つも出てきませんでした。
これは「つながらない」という意味ではありません。API か CSV があれば、間に何かを挟んでつなぐことはできます。 意味しているのはこういうことです。
- その「間に何か」を、誰かが作って、誰かが直し続けます。
- ベンダーの公式ページは、その工程を約束していません。
- 見積もりに載る「連携費用」は、たいていこの空白の部分です。
「API はありますか」の答えは、4 件それぞれ違いました
受け渡しを自動にするなら API(システム同士が決まった形で呼び合う窓口)が要ります。ここも並べます。
| 製品 | 公式の書きぶり |
|---|---|
| AIRead | この欄は今回調べていません(API の有無を確認していません)。機能ページと FAQ には ETL オプションでのシステム連携が記載されています |
| DX Suite | 「無償でAPIを提供」。ただし 「APIの詳細仕様については、契約後にご案内いたします」 と明記。APIキーは 50 個まで作成可能 |
| LINE WORKS OCR | API だけを提供する形態(LINE WORKS OCR API)と、ブラウザ画面とセットの形態(OCR Reader)の 2 つがある |
| スマートOCR | 画像をアップロードし、読み取り結果を JSON で受け取る API がプランとして用意されている |
| SmartRead | Web API あり。RPA 製品から呼び出すコネクタ部品は無償提供 |
「API はあります」は 4 件とも同じ答えですが、中身は同じではありません。
いちばん効くのは 仕様書を契約前に読めるかどうか です。DX Suite は「契約後にご案内いたします」と書いています。つまり、契約前に自社の技術者や委託先へ渡して「これでつなげますか」と確かめることは、公開情報の範囲ではできません。
反対側の端が SmartRead です。RPA から呼び出す部品を無償で配っているので、UiPath や WinActor をすでに持っている会社は、作るものがその分減ります。
そして AIRead については、この欄を私たちが調べていません。「API が無い」ではありません。調べていないので書けない、というだけです。 名指しの相手がいちばん多い製品なので、ここは自分で確かめる価値があります。
調査記録の欄で横に並べると、こうなります(記号や札をクリックすると原文・出典)。
比較項目:
| システム | 導入・利用しやすさ | 業務継続性 | 業務ワークフロー円滑度 |
|---|---|---|---|
| 利用形態 | 解約時のデータ持ち出し | API/MCP | |
| AIRead(エーアイリード) | クラウド(SaaS)版、オンプレミス スタンドアロン版(PC にインストール)、オンプレミス サーバ版、LGWAN-ASP 版の4形態が挙げられています。 | 編集部がまだ確認していません | 編集部がまだ確認していません |
| DX Suite(ディーエックス スイート) | ブラウザ(Google Chrome 推奨/Microsoft Edge、いずれも最新バージョンのみサポート)で利用し、スマートフォン・タブレットはサポート対象外。オンプレミス構成として自社環境に設置する「AI inside Cube」がある。 | △30日後にデータを削除 「サービス解約後30日後にすべてのデータが削除されます」「サービス終了日以前に、お客様にて必要なデータの取得を行ってください」と定められており、トライアルは終了後120日で全データが削除される。稼働中のデータ保持期間も定められており、ユニット作成・Elastic Sorter でアップロードした帳票データと読取結果はアップロードから45日間、アクセスログ照会はログ発生から3年間。 | 「DX Suite はユーザ様へ無償でAPIを提供しており、お客様のシステムと連携することが可能です」とされる一方、「APIの詳細仕様については、契約後にご案内いたします」と明記されている(APIキーは50個まで作成可能)。 |
| LINE WORKS OCR(現行の SaaS 名は「LINE WORKS PaperOn」) | 動作環境として Windows 10 は Google Chrome 最新版・Microsoft Edge 最新版、macOS は Google Chrome 最新版・Safari 最新版、iOS 10.3.1 以上、Android 7.0 以上が挙げられています。 | ○CSV出力 ドキュメントファイルは最終更新日時から31日経過すると自動的にごみ箱へ移動し、ごみ箱内で31日経過すると自動的に完全削除されると記載されています。なお利用規約には、当社は本サービスの利用に係るデータを利用期間中および終了後に保管・保存・バックアップする義務を負わない旨の条項(第8条第8項)があります。 | API のみを提供する形態「LINE WORKS OCR API」があり、自社サービス・他社サービスへの API 連携を行いたい利用者向けと記載されています。ブラウザ UI と API をセットで提供する「LINE WORKS OCR Reader」もあります。 |
| スマートOCR | SD 雲/専用雲/プライベート雲/オンプレ ベンダー公表 提供形態は「SDクラウドサービス」「専用クラウドサービス」「プライベートクラウド(ライセンス/お客様のAWS等へインストール)」「オンプレミス(ライセンス、および機器貸し出しのサブスクリプション)」の4種類。ほかにCSVダウンロードを自動化するデスクトップアプリ「スマートOCR LOADER」と、Webサービスへ組み込んでスマートフォンから撮影する高機能Webカメラアプリ「スマートパシャリ」がある。 | △削除 契約約款では「当社は、利用契約終了に伴い、保存データを直ちに削除できるものとします。ただし、利用契約終了までに契約者からの申し出がない限り、保存データの削除時期は、当社が任意に決定できるものとします」と定められている。稼働中も、契約者ごとの保存容量が1TBを超過するか、OCR変換済みの変換画像の保存期間が6ヶ月を経過した場合は契約者の確認なく削除できるとされる(画像保存オプション契約時はその条件が優先)。 | 「スマートOCR API」としてプラン化されており、書類の画像をAPIへアップロードして読み取り結果をJSON形式で受け取る基本連携のほか、Webカメラアプリ「スマートパシャリ」を自社Webサービスへ組み込む連携パターンが案内されている。 |
| SmartRead(スマートリード) | ブラウザ上で読取位置の指定や確認修正を行うクラウド版(ログインは app.smartread.jp)と、オンプレミス版が提供されている。ほかに指定フォルダを起点に処理を自動化するプログラム「SmartRead AutoLoader」がある。 | 利用規約は、登録の取り消し・有効期間満了・サービス提供終了によって利用契約が終了した場合、「当社は、当社の判断により、本サービスを提供するにあたり知り得た登録ユーザーの利用状況その他の情報(登録ユーザーの個人情報を除く)を保持または消去できるものとします」と定めている。契約は有効期間満了の30日前までに更新しない旨の通知がなければ同一条件で1年間自動更新される。 | Web APIが提供されており、利用者のアプリケーションからSmartReadを呼び出して業務に組み込める。RPA製品からSmartReadを呼び出すコネクタ部品は無償提供。 |
◎ 条件なしで当てはまる ○ 条件つき・一部 △ 限定・要申請・無いと明記 × 当てはまらないと明記 ? 編集部がまだ確認していません ― 提供元が公開していない(編集部が調べた) — 記号は編集部の札から機械で付けています。物差しは項目ごとに違い、列の見出しがその項目の意味です。札の意味と根拠は各セルの要約を押すと出ます。
材料の調査日(最新): 2026-08-26
渡す前に、人が確かめる工程が必ず入ります
受け渡しの話をしていると、つい「読み取り → 自動で送信」という絵を描いてしまいます。5 件の公式ページは、そろってその絵を否定しています。
| 製品 | 確認の仕組みの呼び名(公式の言葉) |
|---|---|
| AIRead | AIRead Viewer(スタンドアロン型)/ブラウザで読取結果を閲覧・編集 |
| DX Suite | 人間の目による確認用の UI + 尤度(ゆうど)に応じた確認要否の自動判定 |
| LINE WORKS OCR | ベリファイ(複数の担当者で確認し、差があれば運用管理者が確認) |
| スマートOCR | 信憑率色分け表示 / 誤認識文字修正 / 修正一覧管理機能 / 再OCR |
| SmartRead | 確認修正用の画面 / スマートベリファイ |
呼び名は 5 件ともばらばらですが、やっていることは同じです。 人が画面で見て直します。
ベンダー自身の言葉のほうが、私の説明よりはっきりしています。
「もっとも、生成AIを用いるか否かにかかわらず、OCRが誤った出力・不適切な出力をする可能性は否定できません。必要に応じて、人の目によるチェック及び修正をフローに入れていただくことをご検討ください。」(DX Suite「ご利用に関する注意事項 第3.2版」/ヘルプセンター記事)
「特に、本サービスはAI技術を活用したものであるため、その性質上、誤認識が生じ得る可能性があることを十分に理解した上で、本サービスを利用しなければならないことに注意してください。」(LINE WORKS AI プロダクト 利用規約 第13条(非保証))
「特に間違えやすい単語に関して辞書登録をすることで同じ間違いを減らしていきます。」(スマートOCR「学習」辞書登録)
AIRead も、よくある質問で**「再発しやすい誤読」を変換前後の指定で自動的に直す後処理の機能を挙げています(AIRead よくある質問)。SmartRead は、人が関わらない自動化について「誤った処理が行われる可能性」**と書いています(SmartRead PLUS+ 紹介ページの比較表)。
そして 5 件とも、失敗したときの行方を書いていません
編集部が確認した範囲では、***読み違えたまま黙って後続へ流れるのか、それとも処理が止まるのか*を述べた記載は、5 件とも公開されているページには見当たりませんでした。
受け渡しの設計としては、ここが一番痛いところです。間違った金額が入った CSV が、そのまま次の工程へ渡るのかどうかが、契約前には読めません。
DX Suite の注意事項には、確認の作業をするのは利用する側だと読める書き方がされています。つまり 止めるかどうかを決めるのは、渡された側に作る仕組みのほう です。
「エラーなら止まりますよね?」は、契約前に必ず聞く価値のある一問です。
人の確認まで売っているのは、5 件のうち 1 件だけでした
前の節の工程を、利用者にやらせるのか、自分たちで引き受けるのか。ここでも 5 件は割れました。
| 製品 | 確認する人 |
|---|---|
| SmartRead(上位版 SmartRead PLUS+) | 委託先の専門オペレーターが工程に入ると明記 |
| AIRead / DX Suite / LINE WORKS OCR / スマートOCR | 利用者側(画面と機能は用意されている) |
SmartRead の上位サービスだけが、こう書いています。
「AIと人の協働によって、高い品質で業務を自動化する『ヒューマンインザループ』」/「情報資産管理のリーディングカンパニーであるNXワンビシアーカイブズの専門オペレーターが、信頼度の高いデータを安全にお届けします」(SmartRead PLUS+)
確認する人を自社で用意するのか、料金に含めて買うのか。 月に何百枚も読む部署では、ここが手間の差としていちばん大きく出ます。
なお 料金の数え方(枚数・項目数・人数)は 5 件でばらばらで、そのままでは比べられません。これは別の記事でまとめて扱います。学習に使われるかどうかも、規約の書き方が 4 件それぞれ違うので別の記事にしました。
受け渡しを決めるのに効くのに、横に並べられなかった欄
正直に、書けなかったところも出します。「調べていない」と「探したが見つからなかった」は別のこととして数えています。
| 知りたいこと | 5 件のうち記載があった数 | 内訳 |
|---|---|---|
| 読み取ったデータの置き場所 | 3 | AIRead と SmartRead はこの欄を調べていません |
| 学習に使われるかどうか | 4 | LINE WORKS OCR はこの欄を調べていません |
| 稼働率の約束(SLA) | 2 | DX Suite とスマートOCR のみ。3 件は探したが見当たらず |
| どれくらい使われているか | 2 | 横に並べられません |
| 過去の障害の記録 | 1 | DX Suite のみ公開 |
| いま動いているかを見せるページ | 0 | 5 件とも探して見つかりませんでした |
| MCP(AI から道具を呼ぶ取り決め)への言及 | 0 | 5 件とも探して見つかりませんでした |
いくつか、読み違えられやすいので先に打ち消しておきます。
- 障害の記録が読めるのは DX Suite だけですが、これは「DX Suite が壊れやすい」という意味ではありません。記録を見せているのが 1 件だけという意味です。2026年8月26日に開いた時点で 31 件が並び、いちばん古いものが 2023年12月15日、いちばん新しいものが 2026年7月29日 でした。
- SLA が見つからない = 不安定、でもありません。 LINE WORKS OCR の利用規約は逆に、第13条(非保証)で不具合がないことも正確性も保証しないと明示的に定めています。
- MCP が 0 件は、探索した URL を記録したうえでの結果です。AI エージェントが AI-OCR を道具として直接呼ぶ、という筋は、2026年8月26日 時点で 5 件のどれも公表していません。 この話は別の記事で扱います。
「いま動いているか」を見せるページについては、status.airead.ai・status.line-works.com・status.smartocr.jp・status.smartread.jp を開こうとして応答が無く、status.dx-suite.com は利用者ごとの管理画面へ転送されました。5 件とも、外から動作状況を確かめる場所はありませんでした。
持ち帰りの一覧
| 持ち帰り | 一言 |
|---|---|
| 出口 | 5 件とも CSV。Excel は 1 件だけ。CSV が出ることは、つながることではありません |
| 受け渡し先 | 名前を挙げているのは 4 件。会計・人事クラウドの名前は 0 件。間をつなぐ工程は利用者側に残ります |
| 選び方 | 読む対象が請求書に絞れるなら、OCR を内蔵した業務システム側という道もあります |