IT連携マップシステムどうしのデータ連携・接続仕様のまとめ

API の仕様変更とは — 告知の 3 つの型と、変更に気づく経路

用語・仕組み — API とは・OAuth(パスワードを渡さずに連携を許可する仕組み) とは・レート制限とは最終更新 2026-09-14約 1,000 字

連携を作ったあとに起きることの 1 つが、相手の API の仕様が変わることです。変わること自体は避けられません。違いが出るのは、どう知らせてくれるかです。


告知の仕方は 3 つの型に分かれる

仕様変更の告知が、日付や版で切る型・追う手段がある型・仕様書からは追えない型の3通りに分かれることを示した図
仕様変更の告知が、日付や版で切る型・追う手段がある型・仕様書からは追えない型の3通りに分かれることを示した図
中身 例(公式資料の記述)
廃止日が決まる 版や日付で切り、提供終了日を明示する。いつまでに改修すればよいかを前もって計画できる Salesforce Sales Cloud: 各バージョンを初出から最低 3 年サポートし、廃止の 1 年以上前に通知。廃止版を呼ぶと 410 GONEHubSpot: 日付で版を切る(2026-03 版から /api-name/2026-03/resource の形)。Shopify: REST から GraphQL への移行が期日つきで告知、年 2 回・150 以上の更新があると自ら書く
追う手段がある 更新は頻繁でも、変更に気づける freee会計: GitHub に連日「Update schema files」のコミット、開発者ポータルの RSS でも告知。board: 公式ブログの「更新履歴」カテゴリー
追う手段がない 仕様書からは変更履歴を追えない SmartHR: spec の version 表示が 0.0.1 固定(API 専用のリリースノートは別途存在)。kintone: 公式仕様の版ディレクトリは 1 個 = 仕様本体は約 15 か月更新なし(安定している、とも読める)

「最低 3 年サポート・廃止 1 年以上前に通知」のような条件は稟議に書けます。「年 2 回・150 以上の更新」も、多いと感じるより回数が分かっていることのほうが重要です。「更新されていない」は「安定している」とも読めるので、悪い意味とは限りません。

実務でやること — 変更を知る経路を 1 つ確保する

型を確かめたうえで、変更を知る経路を 1 つ確保してください。

経路 やること 向く型
RSS フィード 購読する 追う手段がある(freee会計)
更新履歴のページ ブックマークし、定期的に見る 追う手段がある(board)
リリースノートのメール通知 登録する 廃止日が決まる(Salesforce・Shopify)
設計図(OpenAPI)の差分 GitHub で公開されていれば差分を機械的に見る 設計図が配られているシステム

誰も見ていない、という状態が一番まずいです。担当者が変わったときに購読が引き継がれないことがよくあります。各システムの「仕様変更の告知」欄は RenkeiMap の調査記録 に出典つきで置いてあります。

調査記録で確かめる

例として経理・会計のカテゴリで見ます。仕様の変わり方と、旧版をいつまで使えるかの 2 列です。

比較項目:

システム業務ワークフロー円滑度
仕様の変更頻度
バクラク
事前の通知現状有姿改定
事前通知なく仕様を変えられると定める ベンダー公表
規約は、事前の通知をすることなく API の仕様をいつでも変更できると定めている。あわせて、API は現状有姿で提供され、開発を続けることも維持することも約束しないとしている。個別サービスや第三者アプリの仕様変更で API が動かなくなることには、あらかじめ同意する形になっている。仕様の改定履歴を公開するページは見当たらず、日付が分かるのは規約そのもので、2023 年 7 月 25 日に制定・施行、2024 年 9 月 1 日と 2025 年 11 月 1 日に改定されている。
ベンダー公表「バクラクAPI」利用規約 …()
採取元: 「バクラクAPI」利用規約 第5条・「バクラクAPI」利用規約(改定履歴)
調査日
board
更新履歴changelog
API仕様書はバージョン1.9.0(2026-08-01時点・spec の info.version 確認)。「本APIはβ版」等の不安定宣言はなし / 新機能・変更等のお知らせは公式ブログの「更新履歴〜新機能・変更等のお知らせ」カテゴリーで告知される運用
開発者ポータルの CHANGELOG が版ごとに変更点を並べており、定義ファイルを元に厳密な型チェックをしている利用者に向けて、互換性のない変更になり得る旨を予告している。
ベンダー公表board 開発者ポータル(…()ほか 2 件
採取元: board_openapi.json(info 節)・公式ブログ(カテゴリー一覧)・board 開発者ポータル(CHANGELOG の予告)
調査日
e-Tax
税制改正に合わせて更新更新予定を事前公表国のシステム更改あり
税制改正に合わせて更新があり(直近約2年半で17回)、各種モジュールの更新予定を事前公表する運用。加えて令和8年9月24日に国のシステム更改あり(AI-OCR 導入に伴う様式改定を含む)。
編集部確認ソフトウェア開発業者の方へ(…()
ソフトウェア開発業者の方へ(公開スケジュール等) 編集部確認 ℹ️17回 = 保存済みの「ソフトウェア開発業者の方へ」から「各種モジュール(送受信、電子署名及びCSV変換)の更新予定確認表」の xlsx リンクを機械計数した値(令和5年12月6日〜令和8年5月18日、同月の再更新を含む)。おおむね年3〜4回のペース。
採取元: 国税システムの更改・各仕様書
調査日
eLTAX / PCdesk
予告なく変更令和07年分~令和06年分
公開仕様は予告なく変更される場合があると明記。給与支払報告書等の CSVレイアウト仕様書は「令和07年分~」「令和06年分」のように年分ごとに改版が公開されており、年次改定が常態。
ベンダー公表eLTAX対応ソフトウェアを…()ほか 1 件
採取元: eLTAX対応ソフトウェアを開発される方へ(仕様の変更)・仕様書・様式集(CSVレイアウト仕様書の版一覧)
調査日
freee会計
RSS高頻度更新
高頻度更新(2026-08-04 再確認: 直近 push 2026-08-04・PR #605 まで到達・連日「Update schema files」コミット。保存済み GitHub API JSON で検証可能)。仕様変更は開発者ポータルの RSS フィードでも告知。
ベンダー公表開発者ポータル RSS(20…()ほか 3 件
採取元: GitHub API リポジトリメタ(2026-08-04 取得)・GitHub API コミット一覧(2026-08-04 取得)・開発者ポータル RSS(2026-08-01 取得)
調査日
freee申告
freee申告向けの公開 API が無いため、API 仕様の変更頻度という概念が無い(freee 共通 API の変更頻度は freee会計等のシステムを参照)
freee申告向けの公開 API が無いため、API 仕様の変更頻度という概念が無い(freee 共通 API の変更頻度は freee会計等のシステムを参照)
調査日
invox
変更毎月のアップデート
API個別の変更履歴・後方互換方針の公開は見当たらない。利用規約はサービス内容の変更・追加・廃止を事前通知なく行えると定め、変更時は適当と判断する方法で通知するとする。製品としては毎月のアップデートを掲げる。
ベンダー公表invox 利用規約()ほか 1 件
採取元: invox 利用規約・invox No.1の根拠(FAQ)
調査日
ジョブカン会計
セマンティックバージョニング更新履歴は非公開
仕様書はセマンティックバージョニングに従うと宣言し、現行は 1.0.1、最終更新は 2025年7月28日と表示されている。変更履歴(どの版で何が変わったか)の一覧は公開されていない。
編集部確認ジョブカン会計API 仕様書…()
ジョブカン会計API 仕様書(更新情報・バージョニングポリシー) 編集部確認 ℹ️1.0.1 と最終更新日は、編集部が保存済みドキュメントの表題と「更新情報」欄から読み取った値。ドキュメントには変更履歴セクションが無く、過去版の仕様書の配布場所も案内されていない(編集部が同ページ全文を確認・2026-08-05)。
採取元: ジョブカン会計API 仕様書(表題とバージョン)・ジョブカン会計API 仕様書(バージョニングポリシー)・ジョブカン会計API 仕様書(更新情報)
調査日
Misoca
予告なく変更
公式ドキュメントに更新履歴が日付つきで並ぶ(直近の記載は 2024 年 11 月 11 日:取引先の作成にパラメータ追加)。予告なく変更が入る可能性があるとベンダー自身が明記している。
編集部確認Misoca API(アップ…()
Misoca API(アップデート・更新履歴) 編集部確認 ℹ️数え方: doc.misoca.jp の「アップデート・更新履歴」に並ぶ日付の最新を読んだ(2026-08-09 時点)。頻度そのものは数えていない。
採取元: Misoca API について・Misoca API(アップデート・更新履歴)
調査日
マネーフォワード クラウド会計
予告なく変更
更新頻度は未確認。開発者サイトには changelog・RSS が見当たらないが、保存済みのクラウド会計 API 仕様書はリリースノートと RSS フィードを案内している。変更ポリシーには「旧バージョンの廃止は、当社が指定する相当期間前に告知します」とあり、日数・月数の明示はなし。緊急時は「予告なく」変更・終了の例外規定あり。
編集部確認API 変更ポリシー(確認記…()
採取元: API変更ポリシー(開発者サイト)・API変更ポリシー(緊急時の対応)
調査日
マネーフォワード クラウド経費
最終更新日
APIドキュメントリポジトリ(moneyforward/expense-api-doc)の直近コミットは 2025-04-18(「Merge pull request #163 …/20250418.update-api-docs」)=2026-08-02 時点で約1年3ヶ月更新なし。 / spec の info.version は「1」固定で、バージョン文字列からは変更履歴を追えない。
編集部確認moneyforward/e…()
moneyforward/expense-api-doc(コミット履歴を API 経由で確認) 編集部確認 ℹ️2026-08-04 に GitHub commits API の応答を raw/github_expense-api-doc_commits.json として保存(直近コミット 2025-04-18 の機械証跡)。
採取元: GitHub commits API 応答(保存済み JSON・直近コミット日時)・GitHub commits API 応答(直近コミットメッセージ)
調査日
マネーフォワード クラウド請求書
バージョン管理ポリシー3ヶ月後
バージョン管理ポリシーを公開(セマンティックバージョニング採用)。後方互換ありの変更は予告なく実施、後方互換なしの変更は事前告知し、サポート終了は新バージョンリリースから 3ヶ月後、提供終了はさらに 3ヶ月後。
ベンダー公表クラウド請求書APIについて…()ほか 1 件
採取元: クラウド請求書APIについて(サポートサイト)・API変更ポリシー(開発者サイト)
調査日
楽楽精算
公開仕様が無いため改定履歴の公開もない
調査日
TKC FX2クラウド
つなぎ方の仕様に版があるのか、いつ変わるのかを示した記載は、開いた範囲には無い。分かるのは、連携できる相手が今後も増えていくと書かれていることだけで、既にある組み合わせが変わるときの知らせ方には触れていない。
編集部まとめ出典()
採取元: TKCシステムと連携実績がある業務システム
調査日
TOKIUM
仕様変更改定履歴1週間前
API の版や改定履歴を示す資料は無い。近いものとして、サービスの変更を事前に知らせる方針は公開されている。利用者に影響する仕様変更は原則 1週間前まで、UI の大幅な変更など影響が大きいものは原則 1か月前まで、緊急性が高い場合は実施後に速やかに、という三段構え。ただしこれはサービス全体の変更の話で、API の版と結びつけて読める形にはなっていない。利用規約には改訂履歴の日付が並ぶので、規約の変遷は追える。
編集部まとめ出典()
採取元: セキュリティホワイトペーパー(8.32 変更管理)
調査日
弥生(会計/青色申告 オンライン/Next)
公開 Web API が無いため改定履歴も無い
調査日

条件なしで当てはまる  条件つき・一部  限定・要申請・無いと明記 × 当てはまらないと明記  編集部がまだ確認していません  提供元が公開していない(編集部が調べた) — 記号は編集部の札から機械で付けています。物差しは項目ごとに違い、列の見出しがその項目の意味です。札の意味と根拠は各セルの要約を押すと出ます。

材料の調査日(最新): 2026-09-03

この記事に登場するシステム(7)

HubSpotSalesforce Sales CloudShopifySmartHRboardfreee会計kintone

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