連携の見積もりの読み方 — API・iPaaS・RPA の料金を 3 層に分けて読む
3 分で読む
「API連携で○百万円」という見積もりを受け取ったとき、その金額が高いのか妥当なのか、判断できませんでした。
いま思えば、判断できなくて当然でした。連携の費用は3つの層に分かれていて、そのうち1つだけ公開価格が存在しないからです。
日本で使える連携ツール42件の公開価格を集めて、この構造を確かめました。
結論から書きます。
① API そのもの → 追加料金なしのことが多い(ただしプランの壁あり) ② つなぎ役(iPaaS・RPA)→ 公開価格が存在する。42件中36件で料金の記載を確認できた ③ 作る人 → 公開価格が存在しない。個別見積もりのみ
つまり①と②は自分で調べられます。 見積もりの何割が③なのかは、逆算できます。
総論の記事では、費用を3層(①APIそのもの ②つなぎ役 ③作る人)に分けるところまで書きました。ここでは、公開価格がある②を42ツールぶん集め、公開価格が存在しない③の見積もりを読む手順まで降ります。
費用は3層に分かれています
見積書には、たいていこの3つが混ざった1つの金額が書かれています。だから読めません。
分けて聞けば読めるようになります。順に見ます。
見積もりの読み方
以上を、実際の作業に落とします。
- ②を自分で調べる — 使う予定のiPaaSやRPAの公式サイトで価格ページを開く。42件中36件は公開されています。必要なプランの月額を控える
- ①を聞く — ベンダーに「いまのプランのままAPIを使えますか。上位プランが必要ですか」。差額を控える
- 見積もり総額から①と②を引く — 残りが③です。
- ③の内訳を聞く — 「調査・認証・変換・エラー処理・監視・保守のどこにどれだけかかっていますか」。答えられない見積もりは、精度が低いということです。
- 毎年かかる分を分ける — 「初期費用と、毎年かかる保守費を分けてください」。稟議はこの2つで書き方が変わります
補助金の枠があります
| いつの呼び方か | 名称 |
|---|---|
| 2026年〜 | デジタル化・AI導入補助金 |
| 〜2025年 | IT導入補助金(旧称) |
国は中小企業のIT導入に支援枠を用意しています。****2026年に名称が変わりました。過去の記事に出てくる名前で検索すると、別のものや古い年度の情報に当たります。 申請するときは必ず当年の公式サイトを見てください。
申請枠は5つあります。
- 通常枠
- インボイス枠(インボイス対応類型)
- インボイス枠(電子取引類型)
- セキュリティ対策推進枠
- 複数者連携デジタル化・AI導入枠
連携ツールがどの枠に当たるかで、要件も上限も変わります。
ただし要件は制度側で決まります。 対象になる経費、対象になるツール(あらかじめ登録されたもの)、申請の時期などが定められています。「補助金で○割戻る」と決めつけず、制度の公式サイトで要件を確認してください。
まとめ
- 連携の費用は3層。①API本体 ②つなぎ役 ③作る人
- ①はプラン差額の形で出ることがある。 27件中5件がプランの壁つき、28件は条件が読めない
- ②は公開価格がある。 42件中36件で料金の記載を確認。iPaaSは月3,000円〜48万円、RPAは月2,248円〜年792万円
- RPAはパソコン1台を占有する。 その費用が見積もりに入っているか確認する
- 純正連携なら②はゼロのことが多い(boardは3種類とも「プラン料金に含まれる」)
- ③だけ公開価格が存在しない。 だから見積もりが読めない
- ③は毎年かかる。 相手のAPIが変わればこちらも直す
見積もりが読めないのは、あなたの知識不足ではありません。 ①と②を自分で調べれば、③の大きさは逆算できます。
ここから先は調査の詳細です(約 10 分)。上のカードだけで決められます。調べた 1 件ずつの記録は IT連携マップ に、出典 URL と調査日つきで公開しています。
調査の詳細
このページの答えは、以下の調べで出しました。対象・確認時期・出典を並べます。
① API そのものの費用
「APIを使うための追加料金」を取っているケースは、編集部が調べた範囲ではほとんどありませんでした。
ただし条件があります。契約プランの壁です。
56件のAPI公開状況を調べたところ、「第三者に公開されている」27件のうち5件は特定の契約プランでないと使えませんでした。たとえばSalesforce Sales Cloudは利用できるエディションが決まっています。
つまり①の費用は、API利用料ではなく「プラン差額」の形で発生します。
もう1つ。契約条件が公開資料から読めなかったのが28件ありました。これは料金ページがAPIについて触れていないためです。見積もりの前に聞く必要がある部分です。
実際の記述例
楽楽精算は分かりやすい例です。会計ソフトへのCSV出力は利用料に含まれる標準機能(追加費用なし)ですが、**API連携は別途「API連携オプション」**で、金額は非公開・要問合せとなっています。
同じ製品の中でも、CSVは無料でAPIは有料ということが起こります。
ジョブカン勤怠管理のSmartHR連携は、連携そのものの追加料金はありませんが、有料プランの契約が前提です(無料プランでは使えません)。
② つなぎ役の費用 — ここには公開価格があります
| つなぎ役の種類 | 調査記録の件数 |
|---|---|
| iPaaS | 20 |
| RPA | 12 |
| ベンダー純正 | 7 |
| 第三者提供 | 2 |
| 画面操作 | 1 |
| 合計 | 42 |
このうち36件は、料金について公式サイトに記載がありました。
ただし**「記載がある」と「金額が書いてある」は別です。** 「要問合せ」「申込書に記載」も記載のうちです。以下に並べるのは、金額まで公開されているものだけです。
iPaaS の公開価格
比較項目:
| システム | 導入・利用しやすさ |
|---|---|
| 価格 | |
| Yoom | |
| ASTERIA Warp | 買い切りは問い合わせ サブスクリプション(自社の IaaS/オンプレにインストール): Core 30,000 円~/月・Core + 60,000 円~/月・Core ++ 120,000 円~/月・Standard 200,000 円~/月(年契約)・Enterprise 240,000 円~/月(年契約)。iPaaS 版 ASTERIA Warp Cloud: Cloud Core + 160,000 円~/月・Cloud Core ++ 220,000 円~/月・Cloud Standard / Cloud Enterprise は「お問い合わせください」。標準ライセンス(買い切り): Standard / Enterprise とも「お問い合わせください」 税抜/税込の表記がページに無い。アダプター(オプション機能)の価格もページには無い。 |
| bindit | |
| ActRecipe | Professional は問い合わせ Standard 50,000円〜/月、Professional お問い合わせ、SmartHRメールアラート(特別プラン)15,000円〜/月(いずれも年間契約) 税抜/税込の表記は料金表に無い。原文は「料金(年間契約)」の行に記載。 |
| JENKA | |
| AUTORO | Lite 5 万円/Standard 10 万円/Pro 20 万円(月額・税別) クラウド版・デスクトップ版とも Lite 50,000円/月/Standard 100,000円/月/Pro 200,000円/月。「※料金は税別、参考価格です。各販売代理店により異なる場合があります。」 「参考価格」であり販売代理店により異なると明記されている点に注意。実際の請求はツール利用料に加え初期設定費用・サポートプラン・ワークフロー作成代行の有無等で変わるとされる。 |
| TROCCO | Free プランあり Starter 7.5万円/月(税抜)/Essential 15万円/月(税抜)/Advanced 30万円/月(税抜)/Professional は「お問い合わせ」。ほかに Free プランあり。 原文の表記は「7.5 万円/月 (税抜)」等。※4「Starterプランのクレジットカード決済を除き、申込は年間契約とし、年額利用料を一括にてお支払いただきます。」 |
| Reckoner | |
| Waha! Transformer | 自社環境は月 13.5 万円〜/買い切り 360 万円〜 ベンダー公表 クラウド版は金額の記載なし [1]お客様環境: サブスクリプション(利用料)¥135,000~/月(年間契約)/買い切り ¥3,600,000~ + 年間サポート費用 ¥720,000~。[2]ユニリタクラウド: PaaSデータ連携 / PaaSデータ分析 / まるっとデータ変換・加工(いずれも年単位・エディション形式、金額の記載なし) 「本資料に記載の価格はすべて税別価格です。別途、消費税がかかります。」 価格例①(1台構成): 利用料契約(1年間)162万円 / ライセンス購入 360万円+製品保守費用(年額)72万円。価格例②③(2台構成): 利用料 270万円 / 購入 600万円+保守 120万円。 |
| HULFT Square | 上位は 68 万・120 万円/月〜 Starterプラン 48万円/月〜/Standardプラン 68万円/月〜/Enterpriseプラン 120万円/月〜/おすすめプラン「AI-Startパック」68万円/月〜。「ご利用料金は税抜きです」。 価格体系 PDF(Revision 5.0, July 10th, 2026)の記載は「Starterプラン 48万円~」。月度契約・年度契約のいずれも可能。 |
◎ 条件なしで当てはまる ○ 条件つき・一部 △ 限定・要申請・無いと明記 × 当てはまらないと明記 ? 編集部がまだ確認していません ― 提供元が公開していない(編集部が調べた) — 記号は編集部の札から機械で付けています。物差しは項目ごとに違い、列の見出しがその項目の意味です。札の意味と根拠は各セルの要約を押すと出ます。
材料の調査日(最新): 2026-08-11
Zapier は上の表に出ません — 道具の一覧には載っていますが、料金の製品のページがまだ無いためです(編集部の未了です)。公開価格は Free $0(月 100 タスク)/Professional $19.99/月〜/Team $69/月〜(25 ユーザー) で、ドル建てなので円では為替で動きます。製品のページが入ったら、この注記は表に吸収されます。
以前ここは手書きの表でした(11 件 ×「公開されている価格」)。同じ内容が調査記録に在り、原文と調査日つきで出せるので調査記録から引きます。並べる 11 件は変えていません — この調査で値が読めた分です。
月3,000円から月48万円まで、160倍の幅があります。 これは同じものを比べていないからです。個人が数個の連携を回すのと、企業が大量データを毎日流すのでは、必要なものが違います。
価格だけで並べても意味がありません。 見るべきは自分の要件(連携の本数、1日のデータ量、必要な相手先)に対して、どのプランが必要かです。
図の薄い帯はドル建て(Zapier)です。比べられるように、2024〜2026年のドル円変動幅(おおむね1ドル=140〜163円)で円に換算した目安の区間として載せています。公式の日本円価格ではなく、実際の支払額は決済時のレートで変わります。
なお、iPaaS 20件のうち7件は価格が非公開(要問合せ・申込書に記載)でした。
料金表の段は「回数」で切られています
iPaaS の料金表を読むときに、金額の前に見るところがあります。その段で月に何回動かせるかです。
Yoom の料金プランは、月に動かせる回数(タスク数)で段が分かれています。
| プラン | 月に動かせる回数 |
|---|---|
| フリー | 100 |
| パーソナル | 1,000 |
| ミニ | 5,000 |
| チーム | 15,000 |
| サクセス | 45,000 |
つまり**「月に何回動かすか」を先に見積もらないと、どの段が要るか決まりません。**
たとえば受注が1日20件あって、1件につき3回の処理(受注の取得・変換・登録)が走るなら、月に約1,800回です。フリーとパーソナルでは足りません。
さらに、繋げる相手の範囲も段で分かれます。 同じ料金ページに「一部のアプリとの連携」と「すべてのアプリとの連携」が段として書かれています。繋ぎたい相手が下位プランの対象外なら、安い段は選べません。
だから確認の順番はこうなります。
- 繋ぎたい相手が、どの段から使えるか
- 月に何回動かすことになるか
- その2つを満たす一番下の段はどれか
金額を見るのは3番目です。
同じ製品でも、上位版は価格を公開していないことがあります
ASTERIA Warp の価格ページは、下位から順にこう並んでいます。
| 版 | 公開価格 |
|---|---|
| Core | 30,000円〜/月 |
| Core + | 60,000円〜/月 |
| Core ++ | 120,000円〜/月 |
| Standard | 200,000円〜/月(年契約) |
| Enterprise | 240,000円〜/月(年契約) |
| Cloud の Standard / Enterprise | お問い合わせください |
| 標準ライセンスの Standard / Enterprise | お問い合わせください |
下の段は公開されていて、上の段は問い合わせという形です。これは珍しくありません。
そして「〜から」という書き方にも注意が要ります。 30,000円〜/月 は、条件によっては30,000円では収まらないという意味です。何がその金額を動かすのか(接続数・データ量・ユーザー数のどれか)を聞いてください。
RPA の公開価格
比較項目:
| システム | 導入・利用しやすさ |
|---|---|
| 価格 | |
| アシロボ(assirobo) | 2台とも「シナリオ開発&シナリオ実行」が可能。シナリオ本数・行数とも無制限、24時間365日稼働。初期費用は契約時のみの1回限りで、公式トップの注記では「1法人1回限り」。他部署で追加契約する際は初期費用がかからないとされる。更新料・年会費・バージョンアップ手数料は一切かからない。ただしシナリオ作成支援を希望する場合は別途費用が発生し、金額は業務内容・工数により変動するとして公開されていない。 1 契約=パソコン 2 台。シナリオ本数・行数は無制限。 |
| batton | 同じサイトの中で 2 つの価格が併存している。製品ページ・LP は「月額 148,000 円 (税込) 〜」「月148,000円〜で使い放題」、特定商取引法に基づく表記は「販売価格:98,000円(税抜)〜/月」。税抜・税込の違いを補正しても一致しない(98,000円税抜 ≒ 107,800円税込)。どちらが現行価格かは公開情報からは判定できないため、両方をそのまま記録する。プラン区分(複数コース)の記載は無く、公開されているのは下限価格 1 種類のみ。 特商法表記は 98,000 円(税抜)〜/月で食い違う(税抜税込を補正しても一致しない)。 |
| BizRobo! | 税別価格。Lite と Basic は別途初期費用がかかる。Basic は「年間サービス利用料 792万円/年」で、実行環境はサーバまたはローカル、ロボット同時実行台数 1〜10台程、同時開発台数 10台、管理機能あり、スケジュール実行可能。mini の 90万円は Lite ページの比較表に「年間基本利用料金」として載っている値で、mini 単独のページには金額の記載が無い。 mini 90万円/Lite 120万円/Lite+ 180万円/Basic 792万円(いずれも年額・税別)。 |
| Coopel(クーペル) | 3 プラン。支払方法で価格と契約期間が変わる:クレジットカード払いは契約期間 1 か月で 12,800/50,000/100,000 円、請求書払いは契約期間 12 か月で 11,520/45,000/90,000 円(各プランに「10% オトク」と表示)。アカウント追加はいずれのプランも 5,000 円/アカウント。「上記金額はすべて税抜き金額です。」。契約は期間満了までに削除・退会手続きがなければ自動更新。機能ページでは「業界最安水準※の1アカウント ¥12,800/月から。」(※当社独自調べ)と表示している。 エントリー 12,800 円/スタンダード 50,000 円/アドバンスト 100,000 円。クレジットカード払い。 |
| EzRobot | 価格ページの表記は 初期費用「0 円」、月額費用「5万円 /月(税抜)」、契約期間「月 単位」、2台目以降「4万円 /月(税抜)」。プランの区分は無く、単一価格に台数の逓減があるだけ。編集部が調べた RPA・連携サービスの中で最も単純な価格表である。 |
| マクロマン(MACROMAN) | 初期費用は FREE 0円/STANDARD 10万円(税抜き)/PREMIUM 20万円(税抜き)。3プランとも「1ライセンス(契約)で何台でもOK!」と台数無制限を明記(注記の内容までは当方は確認していない)。FREE は本当に無料で、利用期間の制限もダウンロード人数の制限も無いとされる。勝手に有料プランへ変更されることはないと明記。 FREE 0円/STANDARD 5万円・月/PREMIUM 10万円・月。 |
| MICHIRU RPA | 直販の場合の 2 プラン。RPA 利用料のみ=月額 50,000 円(税抜)、サポート付き=月額 100,000 円(税抜)。両者の差はリモートサポート(45分/回)が月 4 回まで付くかどうかで、オンライン操作勉強会・ユーザーフォーラム・メール/チャットサポートは両プランに付く。販売代理店経由の場合は内容も料金も異なると明記されている(編集部が記録できるのは直販の値だけ)。追加オプション:リモートサポート追加 15,000 円/回、タスク(自動操作セット)まるごと作成 80,000 円〜/1タスク、オンライン遠隔保守 20,000 円〜/1回。契約は月単位更新。 サポート付きは 100,000 円(税抜)。 |
| Power Automate(デスクトップ フロー/Power Automate for desktop) | 価格ページの表記は Power Automate Premium「¥2,248」「ユーザー/月相当、年払い」、Power Automate Process「¥22,488」「ボット/月相当、年払い」、Power Automate Hosted Process「¥32,233」「ボット/月相当、年払い」、Power Automate Process Mining add-on「¥749,625」「テナント/月相当、年払い」。いずれも「価格には消費税は含まれていません。」と注記。どのプランを買うかは【画面操作を人が見ている前で動かすか(アテンド型)/無人で動かすか(非アテンド型)】で決まる:アテンド型デスクトップ フローは Premium から、非アテンド型は Process 以上。 いずれも年払い・税抜。ほかのプランもある。 |
| UiPath | 価格ページの表記は ベーシック「月額」「$25」「から」。スタンダードとエンタープライズはいずれも「価格はセールスにお問い合わせください」。Test Cloud 側もスタンダード・エンタープライズとも「価格はセールスに お問い合わせください」。日本語ページでありながら価格表示は米ドルで、円建ての表示は無い。税の扱いについての注記も無い。 |
| WinActor | 見出しは「WinActorの価格(年間ライセンス利用料)」で、対象は WinActor Ver.7。ノードロックライセンスのみ金額が公開されており、フローティングライセンス(FL)と AI連携ライセンス(AL)は「オープン価格」=金額非公開。フル機能版・実行版・管理実行版でできることが異なる(フル機能版=シナリオの開発・編集・実行、実行版=実行のみで利用者による作成/編集は不可、管理実行版=管理ツールの指示のみで実行・FL でのみ提供)。 ノードロックライセンス。いずれも税込・年間。 |
◎ 条件なしで当てはまる ○ 条件つき・一部 △ 限定・要申請・無いと明記 × 当てはまらないと明記 ? 編集部がまだ確認していません ― 提供元が公開していない(編集部が調べた) — 記号は編集部の札から機械で付けています。物差しは項目ごとに違い、列の見出しがその項目の意味です。札の意味と根拠は各セルの要約を押すと出ます。
材料の調査日(最新): 2026-08-13
以前ここは手書きの表でした(10 件 ×「公開されている価格」)。同じ値が調査記録に在り、原文と調査日つきで出せるので調査記録から引きます。並べる 10 件は変えていません — この調査で値が読めた分です。単位(月額・年額・買い切り)は調査記録の値の中に書かれています。
RPAには買い切りがあります。 WinActorのフル機能版が約110万円、実行版が約30万円という形です。BizRobo!は年額90万〜792万円 — 月額と比べられるように、図では**12で割った月額換算(月7.5万〜66万円)**で載せています。ドル建てのUiPathは、iPaaSの図と同じく為替幅で換算した薄い帯です。買い切りのWinActorだけは月額に直せないので、帯の外に書いています。
EzRobotの「2台目以降 4万円」という書き方に注目してください。 RPAは台数で数えます。理由は次の節です。
RPAの見積もりに入っていないもの
RPAは画面を操作する仕組みなので、操作される画面がどこかに開いている必要があります。つまりパソコンが1台要ります。
- 夜間に動かすなら、そのパソコンの電源は切れません
- 人が同時に使うと、RPAの操作を邪魔します
- つまりRPA専用のパソコンを1台用意するのが普通です
「RPAツールの利用料は月5万円」という見積もりに、このパソコンの費用と置き場所は入っていないことがあります。 仮想パソコン(クラウド上のパソコン)を使う構成もありますが、その場合はその利用料が別にかかります。
見積もりを読むときは、**「動かす場所の費用は入っていますか」**と聞いてください。
人につく料金と、処理につく料金は別です
RPA の料金表には、2つの単位が混ざっています。Power Automate の価格が分かりやすい例です。
| プラン | 単位 | 価格 |
|---|---|---|
| Premium | ユーザー/月 | ¥2,248(年払い相当) |
| Process | ボット/月 | ¥22,488(年払い相当) |
| Hosted Process | ボット/月 | ¥32,233(年払い相当) |
「ユーザー/月」は人につく料金です。 使う人が増えると増えます。
「ボット/月」は処理につく料金です。 動かす自動処理が増えると増えます。人が何人いても関係ありません。
この違いが、見積もりの伸び方を決めます。
- 20人が各自で自動化を作る → 人につく料金が20人分
- 夜間に3本の処理を無人で回す → 処理につく料金が3本分
「うちは何人ですか」と聞かれた見積もりと、「何本動かしますか」と聞かれた見積もりは、別のものを数えています。 どちらの単位なのかを確認してください。
そして単価の差にも注目してください。 人につく料金と処理につく料金では、10倍の開きがあります。無人で動かすほうが高いのは、人がログインしていなくても動く仕組みが要るからです。
ベンダー純正の連携は、たいてい無料です
これが一番の節約になります。
boardは、freee会計とのAPI連携、マネーフォワード クラウド会計とのAPI連携、弥生会計向けCSVデータ出力の3つとも、boardのプラン料金に含まれると明記しています(この連携のための追加費用なし)。boardのプラン別月額は Personal 1,200円/Basic 2,400円/Standard 4,900円/Premium 7,900円(税抜)、初期費用0円です。
マネーフォワード クラウド会計のboard連携も、同社の料金に含まれています。
つまり、純正連携で足りるなら②の費用はゼロです。 検討の順番を「純正連携から」にすべき理由は、ここにもあります。
③ 作る人の費用 — ここだけ公開価格が存在しません
開発・テスト・保守にかかる人件費には、公開価格がありません。 一律の表が存在しないので、個別見積もりになります。何にかかるのかを書き出すと、こうなります。
| 作業 | 中身 |
|---|---|
| API仕様の調査 | 仕様書を読み、必要な項目があるかを確認する |
| 認証の実装 | OAuthやAPIキーの取得・保管・更新の仕組みを作る |
| データ変換の実装 | 項目名の対応、コードの対応表、書式の変換 |
| エラー処理 | 相手が落ちていたら、項目が足りなかったら、どうするか |
| 運用監視の設計 | 止まったことに、誰がどうやって気づくか |
| 仕様変更への追従 | 相手のAPIが変わったときに直す |
この6つを人件費として積算した結果が「○百万円」です。
なぜ相場を書かないのか
「相場は○○万円くらい」と書きたくなりますが、書きません。調べていないからです。
編集部が調べたのは①と②の公開価格であって、開発の相場ではありません。調べていないことを、それらしく書くのは避けます。
書けるのは構造だけです。「③には公開価格が存在しない」という事実が、見積もりが読めない理由そのものです。
③は毎年かかります
もう1つ大事なことがあります。③は初期費用だけではありません。
相手のAPIが変われば、こちらも直す必要があります。 編集部が調べた範囲では、仕様変更の告知の仕方は3通りありました。
- 日付でバージョンを切り、旧版の提供終了日を明示する(HubSpot)
- 最低サポート期間を約束する(Salesforce Sales Cloud)
- 予告なく変更する場合があると書く
3番目に当たった場合、止まってから気づくことになります。 そして直すのは③の人です。
稟議に「保守費」の欄があるのは、このためです。
ここでの調査範囲について
- 対象は、編集部が調査記録に収録した42ツールと、一次調査を終えて公開している56システムです。日本で使える連携ツール全体ではありません。
- 確認時期は2026年7月28日〜8月19日です。価格は変わります。 発注前に必ず公式サイトで再確認してください。
- ドル建て価格の円換算は目安です。 2024〜2026年のドル円の変動幅(おおむね1ドル=140〜163円)を機械的に掛けた区間で、公式の日本円価格ではありません。年額は12で割った月額換算で図に載せています(表は原文のまま)。
- 開発費の相場・目安は書いていません。 調べていないためです。書けるのは「③には公開価格が存在しない」という構造までです。
- ツール個社の優劣は比較していません。 引いたのは公開価格の実例だけです。プランの中身(連携本数、データ量の上限、対応コネクタ)が違うので、金額だけを並べても比較になりません。
- 補助金の支給額や採択率は書いていません。 要件は制度側で決まります。
各ツールの公開価格は RenkeiMap で1件ずつ、出典URLと調査日つきで公開しています。各システムの「価格」「契約」欄はこちら。
この記事に登場するシステム(9)
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