MCP とは何か — AI に「何ができるか」を伝える書き方と、API との違い
MCP(Model Context Protocol)は、AI に「何ができるか」を伝えるための共通の書き方です。MCP 仕様 2026-07-28 版 が現行の規格で、土台は JSON-RPC 2.0(「この関数をこの引数で呼べ」を JSON で書く決まり)です。
よくある誤解は「AI は MCP しか使えない」「MCP が来たから API は要らない」です。どちらも違います。
何がどこに繋がるのか — 4 通りとも繋がる
図の実線はそのために用意されている道、点線は繋がるけれど回り道になる道です。
| 道 | 繋がるか | 中身 |
|---|---|---|
| AI エージェント → MCP サーバー(実線) | 繋がる | MCP サーバーは入口で機能一覧を公開する。AI が自分で「何ができるか」を見つけて使える |
| プログラム → API サーバー(実線) | 繋がる | 今までどおりの連携 |
| プログラム → MCP サーバー(点線) | 繋がる | MCP は通信の決まりごとなので人のプログラムからも呼べる。ただし MCP サーバーは AI 向けに絞った一覧で、普通の連携なら API のほうが範囲が広い |
| AI エージェント → API サーバー(点線) | 繋がる | 今までの AI 連携はこの形。ただし「この API をこう呼べ」と人が教える必要がある |
どの道を通っても、窓口の下は同じ業務システムです。 MCP を通しても、書き込みができるか・回数の上限・認証・規約は、そのまま効きます。だから「MCP 対応」と書かれたシステムでも、先に見るのは調査記録の API 欄(公開度・契約の壁・上限)です。
規格から見た MCP — API(REST・SOAP・GraphQL・gRPC)と何が違うか
「API」は 1 つではありません。REST・SOAP・GraphQL・gRPC はそれぞれ別の規格で、MCP を足して 5 つを同じ物差しで並べると、MCP だけが持っているのは「機能一覧を実行時に出す」の 1 行です。
| 物差し | REST・SOAP・GraphQL・gRPC | MCP |
|---|---|---|
| 機能一覧を実行時に出すか | 設計時に人や道具が読む記述(OpenAPI・WSDL)はあるが、実行時に相手が名乗るのとは別。GraphQL の型の内省は中間 | 入口で tools/list の形で自分で名乗る。呼ぶ側は事前知識なしに一覧を取れる |
| 入口の数 | REST だけが URL の設計を持つ(/customers/123)。ほかは 1 つの入口へメッセージを送る |
HTTP POST を 1 エンドポイントに送る |
| 型の書き方 | OpenAPI(JSON Schema)/XML Schema/独自の型/Protocol Buffers | 機能の入出力を JSON Schema で書く |
| エラーの決まり | HTTP のステータスコード/SOAP Fault | JSON-RPC 2.0 のエラーコード。API と MCP を両方出す会社はエラーの体系が 2 つになる |
| 認証を規格が定めるか | 規格の外(OAuth などを別途組み合わせる) | リモート型(HTTP で繋ぐ形)は OAuth 2.1 に基づく認可の決まりを仕様の中に持つ(仕様上は任意)。ローカル型は対象外で、環境から資格情報を読む |
| 状態 | 方式による | 「MCP はステートレスなプロトコル」と明記。プロトコル上のセッションは無い(1 つ前の 2025-06-18 版に在った Mcp-Session-Id の記述は現行版で外れた = 仕様は動いている) |
| 上限 | 各社の設計 | サーバーが呼び出しに上限を掛けることを仕様が義務づける。「MCP なら上限の設計が要らない」は仕様に反する |
つまり MCP は認証を肩代わりするのではなく、OAuth を前提にします。 既に OAuth で API を出していれば土台は共通で、無ければ MCP のために OAuth を用意することになります。そして AI は人より速く呼び出すので、上限(レート制限)の設計はどちらの道でも避けられません。各システムが MCP を出しているか(client/server/両方)は RenkeiMap の調査記録 の API 欄に出典つきで置いてあります。
調査記録で確かめる
MCP に対応しているか・書き込みの門・回数の門の 3 列です。
比較項目:
| システム | 業務ワークフロー円滑度 |
|---|---|
| MCP 対応 | |
| Agentforce(エージェントフォース) | ○呼ぶ側になれる外の道具を使える MCP サーバーに繋ぐ側(クライアント) ベンダー公表 「AgentExchangeパートナーが提供する検証済みのMCPサーバーサポートを通して、Agentforceを新しいツールやリソースに連携」と記載され、外部 MCP サーバーからリソース・ツール・プロンプトを取得する側として説明されている。組織間を含む MCP サーバーを一元的に記録・管理するレジストリを備え、許可された機能のみにアクセスを制限するとしている。 |
| Antigravity(Google) | ○呼ぶ側になれる外の道具を使える MCP サーバーに繋ぐ側(クライアント) ベンダー公表 「Antigravity supports the Model Context Protocol (MCP), an open standard that lets AI agents and editors securely connect to local developer tools, databases, file parsers, and external remote APIs.」と記載され、外部 MCP サーバーへ接続する側として説明されている。 |
| Claude Code | ◎両方向呼ぶ側になれる呼ばれる側になれる クライアントとサーバーの両方 ベンダー公表 MCPサーバーに接続するクライアントとして機能し、あわせて「You can use Claude Code itself as an MCP server that other applications can connect to」として `claude mcp serve` が文書化されています。 |
| Claude Cowork | ○呼ぶ側になれる外の道具を使える MCP サーバーに繋ぐ側(クライアント) ベンダー公表 Connectorsについて「Connect Claude to your tools and data sources using MCP.」と記載され、MCPサーバーに接続する側として文書化されています。 |
| Cline(クライン) | ○呼ぶ側になれる外の道具を使える MCP サーバーに繋ぐ側(クライアント) ベンダー公表 公式ドキュメント表記「MCP (Model Context Protocol) lets Cline use external tools and data sources through MCP servers.」。Cline 自身をMCPサーバーとして公開する旨の記載は見当たりません。 |
| Codex(OpenAI) | ◎両方向呼ぶ側になれる呼ばれる側になれる クライアントとサーバーの両方 ベンダー公表 クライアントとしてSTDIO/Streamable HTTPのMCPサーバーに接続でき(`codex mcp add`)、加えて「You can run Codex as an MCP server and connect it from other MCP clients」として`codex mcp-server`が文書化されていますが、同コマンドは非推奨でCodex app serverへの移行が案内されています。 |
| CrewAI(クルーAI) | ◎両方向呼ぶ側になれる呼ばれる側になれる クライアントとサーバーの両方 ベンダー公表 開発者ドキュメントに、エージェントが外部の MCP サーバーのツールを取り込む仕組み(mcps フィールドおよび MCPServerAdapter、Stdio / SSE / Streamable HTTPS に対応)が記載されており、クライアント側として動く。あわせて料金ページ(https://www.crewai.com/pricing)の機能比較表に「Export as MCP server」が Basic・Enterprise の両方で Yes と掲載されており、作ったワークフローを MCP サーバーとして書き出せる。 |
| Cursor | ○呼ぶ側になれる外の道具を使える MCP サーバーに繋ぐ側(クライアント) ベンダー公表 「Model Context Protocol (MCP) enables Cursor to connect to external tools and data sources.」と記載され、MCPサーバーに接続する側として文書化されています。 |
| Devin | ○呼ぶ側になれる外の道具を使える MCP サーバーに繋ぐ側(クライアント) ベンダー公表 「MCP is an open protocol that enables Devin to use hundreds of external tools and data sources.」と記載され、MCP マーケットプレイスから外部 MCP サーバーを有効化する。追加には組織管理者の Manage MCP Servers 権限が必要。 |
| GitHub Copilot | ○呼ぶ側になれる外の道具を使える MCP サーバーに繋ぐ側(クライアント) ベンダー公表 Copilot Chat を外部の MCP サーバーに接続して、そのツールやリソースを使わせる方法が開発者ドキュメントに記載されている。 |
| Hermes Agent(ヘルメス・エージェント) | ◎両方向呼ぶ側になれる呼ばれる側になれる クライアントとサーバーの両方 ベンダー公表 外部の MCP サーバーに繋ぐ側であり、Hermes 自身を MCP サーバーとして他のエージェントへ出すこともできる、と公式ドキュメントが両方を明記している。 |
| Kiro(AWS) | ○呼ぶ側になれる外の道具を使える MCP サーバーに繋ぐ側(クライアント) ベンダー公表 「MCP is a protocol that allows Kiro to communicate with external servers to access specialized tools, prompts, and resources.」と記載され、外部 MCP サーバーへ接続する側として説明されている。ただしクラウドセッションではプレビュー中のため未対応。 |
| Manus(マヌス) | ○呼ぶ側になれる外の道具を使える MCP サーバーに繋ぐ側(クライアント) ベンダー公表 ヘルプセンターのコネクタ解説に |
| OpenClaw(オープンクロー) | ◎両方向呼ぶ側になれる呼ばれる側になれる クライアントとサーバーの両方 ベンダー公表 公式ドキュメント表記「`openclaw mcp serve` starts a stdio MCP server.」により、Codex や Claude Code など外部のMCPクライアントへ OpenClaw 側の会話を公開できます。同時に、OpenClaw が起動・設定する実行環境向けに、接続先MCPサーバーの定義を `mcp.servers` として管理する機能も備えます。 |
◎ 条件なしで当てはまる ○ 条件つき・一部 △ 限定・要申請・無いと明記 × 当てはまらないと明記 ? 編集部がまだ確認していません ― 提供元が公開していない(編集部が調べた) — 記号は編集部の札から機械で付けています。物差しは項目ごとに違い、列の見出しがその項目の意味です。札の意味と根拠は各セルの要約を押すと出ます。
材料の調査日(最新): 2026-09-05