IT連携マップシステムどうしのデータ連携・接続仕様のまとめ

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AI エージェント(Claude Code、Antigravity CLI、Cursor など)に資料を読ませて作業を頼むとき、2 ターン目で「さっきの資料をもう一度貼り直して、ここを直して」と指示していませんか。貼り直した資料は、プロンプトキャッシュで安く読めるはずの分を、もう一度普通の料金で払うことになります。IT連携マップ編集部の測定をもとに、資料と指示の 6 つの渡し方と、置き場所の推奨順序を解説します。

AI に資料と指示を渡す 6 方式(UI 図解)

資料と指示の6つの渡し方の実務チャットUI比較図。対話枠{...}と事前準備ファイル📄の組み合わせによる2ターンの指示フロー。1a 会話に2回貼り付け:Turn 1で[資料本文]と[指示本文]を送信、Turn 2で資料本文を再度貼り付けて修正指示(二重課金)。1b 会話貼付と参照指示:Turn 1で[資料本文]と[指示本文]を送信、Turn 2は『先の文章』と参照指示のみ送信。2 資料を外部ファイルに:事前準備📄article.md、Turn 1でarticle.mdを読んで指示に従って書くよう指示、Turn 2もarticle.mdを指定。3 指示をSKILLに:事前準備📄SKILL、Turn 1で[資料本文]をSKILLに従って書くよう指示、Turn 2は先の文章をSKILLに従って短くするよう指示。4 指示をAGENTS.mdに:事前準備📄AGENTS.md(常駐)、Turn 1で[資料本文]を指示に従って書くよう指示、Turn 2は先の文章と参照指示のみ。5 資料ファイル+SKILL:事前準備📄article.mdと📄SKILL、Turn 1でarticle.mdをSKILLに従って書くよう指示、Turn 2もarticle.mdをSKILLで短くするよう指示。
資料と指示の6つの渡し方の実務チャットUI比較図。対話枠{...}と事前準備ファイル📄の組み合わせによる2ターンの指示フロー。1a 会話に2回貼り付け:Turn 1で[資料本文]と[指示本文]を送信、Turn 2で資料本文を再度貼り付けて修正指示(二重課金)。1b 会話貼付と参照指示:Turn 1で[資料本文]と[指示本文]を送信、Turn 2は『先の文章』と参照指示のみ送信。2 資料を外部ファイルに:事前準備📄article.md、Turn 1でarticle.mdを読んで指示に従って書くよう指示、Turn 2もarticle.mdを指定。3 指示をSKILLに:事前準備📄SKILL、Turn 1で[資料本文]をSKILLに従って書くよう指示、Turn 2は先の文章をSKILLに従って短くするよう指示。4 指示をAGENTS.mdに:事前準備📄AGENTS.md(常駐)、Turn 1で[資料本文]を指示に従って書くよう指示、Turn 2は先の文章と参照指示のみ。5 資料ファイル+SKILL:事前準備📄article.mdと📄SKILL、Turn 1でarticle.mdをSKILLに従って書くよう指示、Turn 2もarticle.mdをSKILLで短くするよう指示。
方式名称 事前準備ファイル Turn 2 の指示
1a 会話に2回貼り付け なし 資料本文をもう一度貼り直して修正を指示
1b 会話貼付と参照指示 なし 「先の文章」と参照指示だけ
2 資料を外部ファイルに article.md article.md の 3 段落目を短くしてと指示
3 指示をSKILLに SKILL(執筆手順) 先の文章を SKILL で短くしてと指示
4 指示をAGENTS.mdに AGENTS.md(常駐ルール) 先の文章と参照指示だけ
5 資料ファイル+SKILL article.md + SKILL article.md を SKILL で短くしてと指示

Turn 1 では、1a・1b・3・4 は資料本文をプロンプトに貼り、2・5 は article.md を読ませます。

資料をもう一度貼り直してはいけない理由

資料の再ペースト禁止とキャッシュ参照の比較図(Claude Sonnet 5.5・短文の測定)。左側:1a 会話に2回貼り付けはTurn 2で資料を貼り直し、キャッシュの外の入力が8,606(1bより+2,090)、AIが全文3,103字を書き直し出力3,290トークン、2ターンの費用$0.1025。右側:1b 会話貼付と参照指示はTurn 2で参照だけを送り、キャッシュから14,049トークン(2回目の68%)、返事は3段落目の127字、2ターンの費用$0.0740(1a比-28%)。長文では貼り直した20,330トークンがキャッシュの外になり、1bは1aより34%安かった。
資料の再ペースト禁止とキャッシュ参照の比較図(Claude Sonnet 5.5・短文の測定)。左側:1a 会話に2回貼り付けはTurn 2で資料を貼り直し、キャッシュの外の入力が8,606(1bより+2,090)、AIが全文3,103字を書き直し出力3,290トークン、2ターンの費用$0.1025。右側:1b 会話貼付と参照指示はTurn 2で参照だけを送り、キャッシュから14,049トークン(2回目の68%)、返事は3段落目の127字、2ターンの費用$0.0740(1a比-28%)。長文では貼り直した20,330トークンがキャッシュの外になり、1bは1aより34%安かった。

プロンプトキャッシュは、前の問い合わせと先頭から一致する部分だけを再利用します。2 ターン目に資料を貼り直すと、貼った分は後ろに足された新しい入力になり、普通の料金で数えられます。編集部の測定では、貼り直した分は短文で 2,090 トークン、長文で 20,330 トークンでした。長文では、参照指示だけの 1b が貼り直した 1a より 34% 安くなりました(数と条件は下の「調査の詳細」)。

指示と資料の置き場所の推奨順序の決定木チャート。Step 1 全体共通ルールはAGENTS.mdやGEMINI.mdに配置(会話の始めに読まれ先頭に固定される)。Step 2 専門タスク手順はSKILL(.agents/skills/)に配置(普段は名前と説明文だけ、使う時に本文を読む)。Step 3 作業対象資料は外部ファイル(article.md等)に配置(会話に貼らず必要な時に読ませる)。Step 4 会話プロンプトは命令と参照だけにし、2ターン目以降は貼り直さない
指示と資料の置き場所の推奨順序の決定木チャート。Step 1 全体共通ルールはAGENTS.mdやGEMINI.mdに配置(会話の始めに読まれ先頭に固定される)。Step 2 専門タスク手順はSKILL(.agents/skills/)に配置(普段は名前と説明文だけ、使う時に本文を読む)。Step 3 作業対象資料は外部ファイル(article.md等)に配置(会話に貼らず必要な時に読ませる)。Step 4 会話プロンプトは命令と参照だけにし、2ターン目以降は貼り直さない
順番 置くもの 置き場所 理由
Step 1 チーム共通ルール AGENTS.md / GEMINI.md 会話の始めに読まれて先頭に固定され、毎ターンキャッシュから読まれる(AGENTS.md とは)
Step 2 専門業務の手順 SKILL(.agents/skills/) 普段は名前と説明文だけ、その作業の時だけ本文を読む(AI のスキルとは)
Step 3 作業対象の資料 外部ファイル(article.md 等) 会話に資料の本文を残さず、2 ターン目以降の新しい入力を小さくする
Step 4 今回の命令 ユーザープロンプト 命令と参照だけ。2 ターン目以降は資料を貼り直さない

まとめ・チェックリスト

確かめること はい なら
毎回守らせるルールは AGENTS.md に書いたか Step 1 済み
たまにしか使わない専門手順は SKILL に分けたか Step 2 済み
読ませたい資料は外部ファイル(.md や .txt)として用意したか Step 3 済み
2 ターン目以降に、資料や前の出力を貼り直していないか Step 4 済み

測定の全データは「資料と指示を渡す 6 方式のトークン測定と費用(実験編)」で公開しています。

ここから先は調査の詳細です(約 6 分)。上のカードだけで決められます。調べた 1 件ずつの記録は IT連携マップ に、出典 URL と調査日つきで公開しています。

調査の詳細

IT連携マップ編集部は、Google Antigravity CLI(agy)で、Claude Sonnet 5.5 と Gemini 3.8 Flash に 6 つの渡し方で同じ課題を出しました。短文(2,893 字)は 8 つの決まりで書き直し、長文(39,875 字)は 300 字程度に要約して書き直し、2 ターン目はどちらも 3 段落目を短くさせました。試行ごとに作業場所を新しくし、各条件 1 回測りました。費用は、測ったトークンの数を公式の料金(1M トークンあたり、Claude Sonnet 5.5: 入力 $2・キャッシュ読み出し $0.10・出力 $10、Gemini 3.8 Flash: $0.75・$0.075・$3.75)で換算した値です。

貼り直しの測定の差

ターン 1a 会話に2回貼り付け 1b 会話貼付と参照指示 キャッシュへの影響
Turn 1 【指示】+【白書本文】を送信 【指示】+【白書本文】を送信 両者とも同じ初期コンテキスト
Turn 2 「修正して」+もう一度【白書本文】を貼り付け 「先の文章 の 3 段落目を短くして」とだけ送信 1a は貼った分がキャッシュの外
1b は前の内容をキャッシュから読む
測定の差 キャッシュの外の入力: 8,606 トークン(長文 22,784) キャッシュの外の入力: 6,516 トークン(長文 2,454) 短文 2,090・長文 20,330 トークン(貼り直した資料の分)

Claude Sonnet 5.5 の短文では、2 ターン目にキャッシュの外で払った入力の差は 2,090 トークン($0.0042)でした。費用の差の大部分は出力です。資料を貼り直された AI は全文(3,103 字)を書き直し、2 ターン目の出力は 3,290 トークンで、3 段落目(127 字)だけを返した 1b の 8 倍でした。2 ターンの費用は 1a が $0.1025、1b が $0.0740(1a 比 -28%)です。

Gemini 3.8 Flash の長文では、差は 20,330 トークンでした。2 ターン目の入力のうちキャッシュから読まれた割合は、1a が 58%、1b が 92% で、2 ターンの費用は 1b が 1a より 34% 安くなりました。

時間と会話の要約の落とし穴

落とし穴 公式の説明 対策
キャッシュの保持時間(TTL)が切れる Claude のサブスクリプション(プランの範囲内)の会話は 1 時間、API キーやクラウド経由は 5 分(Claude Code の公式) 切れると、読み出し(入力の 0.05 倍)だった履歴がもう一度書き込まれる(1.25〜2 倍)。同じ履歴の費用が API の料金で 25〜40 倍になる
会話の要約(compaction)で資料の細部が消える 要約の後、最近読んだり書いたりしたファイルを最大 5 つ読み直す。5,000 トークンを超えるファイルは中身なしのパス(Referenced file)で戻る(Claude Code の公式) 資料は外部ファイルに置く。会話に貼った資料は要約にまとめられるが、ファイルなら view_file 等で読み直せる

短文と長文で「最安の方式」が入れ替わる仕組み

方式名 Claude 短文(2 ターン) Gemini 短文(2 ターン) Gemini 長文(2 ターン) 特性と評価
1a 会話に2回貼り付け $0.1025(最高) $0.0236(最安) $0.0444(基準) × 非推奨: 貼った分がキャッシュの外。長文で最も差が出る
1b 会話貼付と参照指示 $0.0740(1a 比 -28%) $0.0262(+11%) $0.0292(-34%) ◯ 簡易向け: 準備ゼロで安い。手軽な確認に最適
2 資料を外部ファイルに $0.0914(-11%) $0.0483(+105%) $0.0256(最安・-42%) ◎ 長文向け: キャッシュが当たらない短文では割高
3 指示をSKILLに $0.0755(-26%) $0.0325(+38%) $0.0326(-26%) ◎ 強く推奨: 普段は名前と説明文だけ、必要な時だけ本文を読む
4 指示をAGENTS.mdに $0.0713(最安・-30%) $0.0549(最高) $0.0452(最高) ◎ 必須基盤: ツールの往復なし。Gemini では考えるトークンが多く出た
5 資料ファイル+SKILL $0.0901(-12%) $0.0359(+52%) $0.0365(-18%) ◎ ベスト構成: 2 ターン目の新しい入力は少ない。1 ターン目の往復が重い

短文では資料が小さいので、貼り直しても参照しても入力の差は小さく、ツールの往復で増える 1 ターン目の入力のほうが目立ちます。Claude では 4($0.0713)と 1b($0.0740)がほぼ同じで最も安く、キャッシュが 1 度も当たらなかった Gemini では、ファイルを読む 2 が 1a の約 2 倍になりました。

資料が 3 万トークンを超えると、会話に貼るか、貼り直すかの差が費用を左右します。2 は 1 ターン目も 2 ターン目も入力が最も少なく、2 ターンの費用は $0.0256(1a 比 -42%)で最も安くなりました。1b との差は 1 割ほどです。

ツールの往復で 1 ターン目がどれだけ増えたか

エージェントが外部ファイル(view_file)や SKILL.md を読むとき、ツールを使うたびに、それまでの内容をもう一度モデルに送ります。ツールを使わない 1b を基準に、Claude の短文で計算した結果です(詳細は 実験編 参照)。

方式 1 ターン目の入力の合計の増加 入力の費用の増加
2 資料を外部ファイルに +35,180 トークン(+206%) +$0.0160(+67%)
3 指示をSKILLに +17,446 トークン(+102%) +$0.0080(+34%)
4 指示をAGENTS.mdに +92 トークン +0.8%
5 資料ファイル+SKILL +36,034 トークン(+211%) +$0.0115(+48%)

Claude では、増えた分の多くがキャッシュから読まれるので、トークンが 2〜3 倍になっても入力の費用は 1.3〜1.7 倍で済みました。キャッシュが当たらなかった Gemini の短文では、増えた分をそのまま払うことになり、方式 2 の 2 ターンの費用は 1a の約 2 倍でした。

会話中にキャッシュを無駄にしない 3 つの鉄則

会話中にキャッシュを無駄にしない3つの鉄則。鉄則1:貼り直さず、題名を添えて参照する(1回目の資料とAIの回答は2回目にキャッシュから読まれる。料金はClaude Sonnet 5.5で95%、Gemini 3.8 Flashで90%引き)。鉄則2:指示ファイルを直したら新しい会話で(Claude CodeはCLAUDE.md・AGENTS.mdを会話の始めに1度だけ読む。途中で書き換えてもその会話には届かない)。鉄則3:キャッシュの最小の長さと当たらないことを知る(Claude Sonnet 5.5は512、Gemini 3.8 Flashは4,096トークンから。Geminiの暗黙のキャッシュは当たる保証が無い)
会話中にキャッシュを無駄にしない3つの鉄則。鉄則1:貼り直さず、題名を添えて参照する(1回目の資料とAIの回答は2回目にキャッシュから読まれる。料金はClaude Sonnet 5.5で95%、Gemini 3.8 Flashで90%引き)。鉄則2:指示ファイルを直したら新しい会話で(Claude CodeはCLAUDE.md・AGENTS.mdを会話の始めに1度だけ読む。途中で書き換えてもその会話には届かない)。鉄則3:キャッシュの最小の長さと当たらないことを知る(Claude Sonnet 5.5は512、Gemini 3.8 Flashは4,096トークンから。Geminiの暗黙のキャッシュは当たる保証が無い)

鉄則 1: 参照指示を使い、対象のタイトル・見出しを明確に指定する

AI はこれまでの会話履歴を持っています。「先ほど出力した要約の 2 行目を〜」と指示すれば通じるので、貼り直しはやめましょう。ただし会話が長くなったり複数の資料を扱ったりすると、「先の文章」がどれを指すのか曖昧になります。実務では「先ほど生成した『総務省白書 令和5年版要約』の第3段落を〜」や「『article.md』の第3段落を〜」のように、タイトル・見出し・対象物を名指しした参照指示にすると、資料を払い直さずに、どこを直すかも AI に正しく伝わります。

鉄則 2: 指示ファイルを直したら、新しい会話で

Claude Code の公式の説明では、プロジェクトの CLAUDE.md(と AGENTS.md)は会話の始めに 1 度だけ読み込まれます。会話の途中で書き換えてもキャッシュは切れませんが、書き換えた内容もその会話には届きません。直した指示は /clear・/compact・新しい会話の後に読み込まれます。

鉄則 3: キャッシュが使える最小の長さと「当たらないこと」を知る

キャッシュが使える最小の長さは、Claude Sonnet 5.5 が 512 トークン、Gemini 3.8 Flash の暗黙のキャッシュが 4,096 トークンです(公式)。ただし Gemini の暗黙のキャッシュは当たる保証が無く、今回の短文の測定(1 回の問い合わせが 1 万トークン以上)では 1 度も当たりませんでした。費用は、使った後の usage(キャッシュから読んだトークンの数)で確かめてください。

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