システム障害とは — 症状・原因・起きる時間
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業務システムが使えないとき、障害か、メンテナンスか、自分の側の不調かで、することが変わります。提供元が前もって止めるメンテナンスはメンテナンスとはに、ステータスページの型はステータスページとはにまとめました。ここでは、提供元が止めようとしていないのに使えなくなる障害を、提供元の告知から見ます。
障害では何が起き、復旧までどのくらいかかるか
国内の業務システムの障害で最も多いのは、一部の機能が使えない障害(32%)で、次が遅い・つながりにくい障害(29%)でした。IT連携マップ編集部が国内の障害の告知 94 件を症状で分けた結果で、つながらない・ログインできない障害は 15% でした。
復旧までの時間は、症状で違います。遅い・つながりにくい障害は中央値 48 分で復旧しました。一部の機能の不具合は、原因を探して直すため、復旧まで中央値 16.6 時間かかりました。たとえば Chatwork は、2026 年 9 月 6 日の障害を「Chatworkへの一部アクセスが不安定な状態」と書いています。
障害はどこで起きるか
障害の多くは、提供元の内部で起きます。原因を書いた国内の告知 29 件のうち 25 件(86%)は、提供元の更新作業・不具合・負荷でした。サイボウズは、kintone の障害の原因を「システム更新作業の手順に不備があった」と書き、別の障害では「内部システムが高負荷であることが原因」と書いています。
遅い・つながりにくい障害の原因は、ほとんどが負荷です。原因を書いた告知 11 件のうち 9 件は、サーバーの高負荷かアクセスの集中でした。
残りの 4 件は、回線や CDN(コンテンツ配信ネットワーク)が 2 件、連携先などの外部のサービスが 2 件でした。Greenfile.work は建設キャリアアップシステム(CCUS)との連携が止まった理由を「CCUSへのアクセス集中のため」と書いています。
利用者の PC や社内ネットワークの不調は、提供元の告知には載りません。ステータスページが正常なのに使えないときは、相手が落ちているのか、自分だけかの手順で自分の側から確かめてください。
障害は、いつ始まり、いつ復旧するか
国内の業務システムの障害は、平日の昼に始まります。81% が平日の 9〜18 時にかかり、夜(21〜6 時)に始まったのは 11%、週末に始まったのは 4% だけでした。曜日では月曜が最も多く、51% は 3 時間以内に復旧しました。
海外の業務システムと AI のサービスの障害は、55% が日本時間の夜に始まりました。提供元の多い米国では、朝から昼にあたる時間です。計画メンテナンスは、国内の障害とは逆に夜と週末に始まります(メンテナンスとは)。
日本・海外・AI のサービスで、障害の知らせ方は何が違うか
海外の業務システムと AI のサービスは、機能ごとの小さな障害までステータスページに載せ、稼働率の数字も出しています。日本の業務システムは、お知らせのページで知らせ、稼働率の数字は出していません。
障害の告知は、1 システムあたり 1 か月に中央値 4.08 件(海外の業務システム)と 5.34 件(AI・ツール)で、国内の 0.5 件より多くなります。告知が多いことは、止まることが多いことと同じではありません。
国内の業務システムの 74% は、障害とメンテナンスをお知らせのページで知らせ、専用のステータスページを持つのは 13% でした。稼働率(サービスが使えた時間の割合)の数字は、AI・ツールの 10 システム中 8 システムと、海外の業務システムの 15 システム中 2 システムがステータスページに出していました。国内の業務システムは、IT連携マップが告知の場所を見ている 69 システムのどれも出していませんでした。
IT連携マップの「稼働状況・障害情報」は、どう読むか
IT連携マップの「稼働状況・障害情報」(https://renkeimap.jp/status)は、業務システムと AI のサービスがいま使えるかと、メンテナンスの予定を 1 ページで見る一覧です。提供元の公式の告知を正として読み、利用者の報告を補いに使い、IT連携マップ編集部の観測は参考にとどめてください。
一覧の 1 行の読み方

一覧では、1 つのシステムが 1 行です。上の画面は、2026 年 10 月 26 日のレンタルサーバー・ドメインの行で、お名前.com の行に番号を付けました。
- 状態の札: 提供元が告知したことは、「提供元が緊急メンテを告知」のように札にそのまま出ます。「正常に見える」は、外から見て異常が無いという意味で、止まっていないことを保証するものではありません。
- 直近 24 時間のマス: 1 マスが 1 時間です。紫はメンテナンス、緑は正常、黄・橙・赤は混雑や異常の疑いを表します。
- メンテナンスの予定: 提供元の告知から写した、メンテナンスの開始の日時です。
- 公式告知: 提供元のお知らせのページやステータスページを開きます。止まる範囲と時刻は、ここで確かめてください。
- 詳細情報: システムごとのページを開きます。
システムごとのページの読み方

システムごとのページ(例: https://renkeimap.jp/status/onamae)は、上の「ただいまの状況確認」に、いまの結論とその根拠を並べています。
- 提供元の公式発表: 提供元のページへのリンクです。まずここを開きます。
- 結論: 提供元が告知を出していれば、その題をそのまま載せ、告知のページへリンクします。
- 提供元の状態通知: 提供元の告知のページを確かめた結果と時刻です。
- 外部からの観測: IT連携マップ編集部が外からつないだ結果で、参考にとどめます。下の 2 行は、X の投稿とニュースの検索結果です。
- ユーザーの報告: 利用者がこのページで送った報告で、告知がまだ出ていないうちの補いに使います。
- 影響を受ける範囲と利用者ができること: 提供元の告知の文をそのまま引いたものです。止まる範囲は、ここで読みます。
提供元の告知が出ていれば、それが答えです。告知が出ていないのに使えないときは、5 の利用者の報告と 4 の観測を手掛かりにし、相手が落ちているのか、自分だけかの手順で自分の側も確かめてください。
ここから先は調査の詳細です(約 4 分)。上のカードだけで決められます。調べた 1 件ずつの記録は IT連携マップ に、出典 URL と調査日つきで公開しています。
調査の詳細
IT連携マップ編集部は、2026 年 10 月 26 日に、IT連携マップが集めている提供元の告知の記録(障害の告知 533 件・計画メンテナンスの告知 386 件)を読み、症状・原因・始まった時刻・復旧までの時間・止まった範囲で分けました。同じ日に、94 システムすべての告知の場所(ステータスページ・お知らせのページ)を開き、稼働率の数字を出しているかを確かめました。
調べた範囲は、IT連携マップが告知の場所を見ている 94 システム(日本の業務システム 69・海外の業務システム 15・AI とツール 10)です。障害の告知は 2025 年 10 月〜2026 年 10 月の告知、稼働率は 2026 年 10 月 26 日に表示されていた数字です。
数えたもの
| 国内の業務システム | 海外の業務システム | AI・ツール | |
|---|---|---|---|
| 告知の場所を見ているシステム | 69 | 15 | 10 |
| 障害の告知を集めたシステム | 15 | 10 | 5 |
| 障害の件数(重なりを除く) | 94 | 186 | 157 |
| 障害の告知(1 システム・1 か月・中央値) | 0.5 件 | 4.08 件 | 5.34 件 |
| 障害の復旧までの時間(中央値) | 2.8 時間 | 2 時間 | 1.6 時間 |
| 夜(21〜6 時・日本時間)に始まった障害 | 11% | 53% | 57% |
| 計画メンテナンスの告知(2026 年 8〜10 月・1 システム・1 か月) | 1.21 件 | 0 件 | 0.07 件 |
| 稼働率の数字を出していた | 69 システム中 0 | 15 システム中 2 | 10 システム中 8 |
- 障害の告知は、提供元が過去の障害の記録をまとめて公開していて、IT連携マップが読み取れるシステムだけで数えました(国内 15・海外 10・AI とツール 5)。海外の業務システムは Salesforce(2 製品)・HubSpot・Slack・Notion・Google Workspace など Google の 4 製品・Jotform、AI・ツールは Claude・Gemini・GitHub Copilot・Devin・Make です。
- 1 つの障害を複数の製品が載せたもの(サイボウズの kintone・Garoon・サイボウズ Office など)は、件数と割合では 1 件に数えました。1 か月あたりの件数は、製品ごとに数えた中央値です。
- 日付だけを書いた告知は、時刻の集計から外しました。提供元が障害ではなく不具合として載せた告知(12 件)は、集計から外しました。
- 計画メンテナンスの時刻と曜日の割合は、2025 年 10 月〜2026 年 10 月 25 日に始まった 309 件で数えました。1 か月あたりの件数だけは、2026 年 8〜10 月の告知を、各群の告知の場所を見ているシステムの数(日本 69・海外 15・AI とツール 10)で割りました。3 群を合わせた 94 システムで割ると 0.9 件です(メンテナンスとは)。障害は 2025 年 10 月〜2026 年 10 月の告知です。
症状と原因の分け方
- 症状は、告知の題と症状の欄の語で分けました(「アクセスできない」はつながらない、「しづらい」「遅延」は遅い、「機能」「エラー」は一部の機能、など)。語で分けた近似なので、1 件ずつの正しさは保証しません。
- 原因は、国内の告知のうち原因を書いた 29 件だけで分けました。提供元の内部 15 件、負荷・アクセスの集中 10 件、回線・CDN 2 件、外部のサービス 2 件です。原因を書かない告知が多いので、全体の割合ではありません。
- 稼働率の数字は、告知の場所を見ている 94 システムすべてについて、告知の場所に表示されていたものを数えました。AI・ツールの 8 システムが出していた数字は、直近 90 日でいちばん低い機能が 99.29〜100% でした。たとえば Claude のステータスページは、機能ごとに直近 90 日の稼働率を出しています Claude 稼働状況の公開 。HubSpot・Notion・Shopify などのページからは数字を読めませんでした(ページの作りで読めなかったか、出していないかは分けていません)。目標の数字(SLA・SLO)だけを書いたページは、数えていません。国内の 3 システムはお知らせのページを開けず、5 システムは告知の場所が見つかっていません。
- 障害の告知の時間から稼働率を計算することはしていません。海外と AI の告知の多くは一部の機能だけの障害で、サービス全体が止まった時間ではないからです。
- 外からの観測(IT連携マップが 5 分ごとに見ている結果)は、この集計に使っていません。
集計のプログラムは map/process/status_patterns/patterns.py、結果は blog/figures/_data/status_patterns.json です。
この記事に登場するシステム(12)
CCUSChatworkGaroonGoogle WorkspaceGreenfile.workHubSpotJotformNotionShopifySlackkintoneサイボウズ Office