compact(会話の要約)とは — 使う時機と費用(測定)
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AI エージェントとの会話が長くなると、毎ターン送る履歴も大きくなります。Claude Code の /compact は、この履歴を要約に置き換えて、同じ会話を続ける機能です。要約すると次の問い合わせで送る量は減りますが、要約に書かれなかった事は消えます。IT連携マップ編集部は、Claude Code(サブスクリプション)で、要約の時機と回数を変えて、費用と、要約の後に何が残るかを測りました。
いつ /compact し、いつ指示ファイルを縮めるのか?
Claude Code の「Context」の欄(図はデスクトップ版の画面の数)か、/context の表示を見ると、コンテキストのどこが大きいかが分かります。大きい所によって、するべき操作が違います。
- 会話(Messages)が大きい: 区切りの良い所で /compact します。続きに要る事は、先にファイルに残しておきます。
- 指示ファイル(Memory files)が大きい: AGENTS.md・CLAUDE.md を縮めます。指示ファイルは毎ターン丸ごと送られ、要約の後もファイルから読み直されるので、/compact では減りません(Claude Code の公式の説明)。編集部の例では、指示ファイルを 867 KB から 57 KB に縮めると、Memory files は 349.4k から 34.9k トークンになりました(縮めた前後)。
- 全体がまだ小さい: 何もしません。
では、要約すると、会話の中の何が残り、何が消えるのでしょうか。
要約すると、何が残り、何が消えるのか?
要約の本文(3,236〜4,006 字・英語)には、書き方の決まり、それまでに直した段落、最新の書き直し版が書かれていました。最初に貼った文章(39,875 字)の原文は書かれていませんでした。要約した会話に原文の一文を尋ねると、5 本とも作り話をせずに「書けない」と答えました。要約の末尾には、会話の記録の全文がある場所も書かれていました。
要約で消えて困る資料は、会話に貼らずにファイルに置き、必要なときに読ませます(資料と指示を渡す 6 方式)。では、/compact は、いつ、何回すると得なのでしょうか。
/compact は、いつ・何回すると得か?
費用で見ると、/compact が得になるのは、キャッシュが切れる前に履歴を小さくできるときです。キャッシュが残っている間は、履歴の読み出しが入力の 0.05 倍と安いので、要約しても費用は下がりません。
| 使い方 | 比べた相手 | 費用の比 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 席を外す前に /compact(65 分あけた) | 65 分あけて、そのまま続けた場合 | 43% | キャッシュが残っているうちの要約は安く、戻った後は短い会話をキャッシュへ書き直すだけ |
| 戻ってから /compact(65 分あけた) | 同上 | 85% | 要約するために、キャッシュが切れた履歴を全部読み直す |
| 作業の区切りで 1 回(間をあけない) | 一度も /compact しない場合 | 122% | キャッシュから読む履歴は安いので、要約の分だけ高くなる |
| 毎ターン /compact(間をあけない) | 同上 | 2.8 倍 | 要約の呼び出し(1 回 $0.0371)と、要約の後のキャッシュへの書き直しが積み上がる |
Claude Code は、手で打つ /compact のほかに、自動でも要約します。では、自動の要約はいつ働くのでしょうか。
自動の要約は、いつ働くのか?
Claude Code の自動の要約には 2 つあります。会話がコンテキストの上限に近づいたときの要約と、端末で開いたまま席を外している会話を、キャッシュが切れる少し前に要約する「席を外している間の要約」です。後者は、公式の説明では、次の条件をすべて満たすときに働きます(idleCompaction の説明)。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 使い方 | 端末(ターミナル)で対話している(claude -p での実行は対象外) |
| 自動の要約 | 自動の要約(autoCompactEnabled)が有効(既定は有効) |
| 保持時間 | 1 時間保持の会話(サブスクリプションの利用枠の内側なら既定) |
| 提供元の設定 | Claude Code が提供元から機能の設定を受け取れる |
| 会話の大きさ | 既定は 20 万トークン以上(10 万トークンまで下げられる) |
| 時間 | 最後の問い合わせから約 54 分たち、その時刻に PC が起きている |
編集部が約 14.4 万トークンの会話を端末で開いたまま置くと、最後の問い合わせから 54.1 分で要約が働き、戻った 1 ターンまでの費用は、要約が無い場合の見積もりの約 3 分の 1 になりました(測った数)。止め方と、働く大きさの変え方は、設定はどこで変えるか にまとめました。
ここから先は調査の詳細です(約 4 分)。上のカードだけで決められます。調べた 1 件ずつの記録は IT連携マップ に、出典 URL と調査日つきで公開しています。
調査の詳細
IT連携マップ編集部は、2026 年 10 月 24〜25 日に、Claude Code(サブスクリプション)・Claude Sonnet 5.5 で、要約の時機と回数を変えた会話を回し、費用と、要約の後に同じ確認の問いを出した答えを測りました。以下に、方法・回数を変えた測定の数・設定・この結果の読み方を載せます。時機を変えた測定と、席を外している間の要約の数は、会話の間とキャッシュの保持時間 に載せています。
会話が大きいときの画面

会話(Messages)が全体の 65% を占め、自動の要約まで残り 220k トークンの状態です。区切りの良い所で /compact するのが向いています。
指示ファイルが大きいときの画面

指示ファイル(Memory files)だけで 349.4k トークン(35%)を使っている状態です。/compact では減らないので、指示ファイルを縮めます。
実験の方法
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品とモデル | Claude Code 2.1.302〜2.1.310・サブスクリプション・Claude Sonnet 5.5 |
| 会話 | 長い資料(総務省情報通信白書 39,875 字)を貼って、書き方の決まり 8 つで書き直してもらい、2 ターン目からは「先の文章の〜を直して」と参照する依頼(6 方式 の 1b) |
| 時機を変えた測定 | 3 ターン続けたあと、65 分あけて 2 ターン。要約しない・席を外す前に /compact・戻ってから /compact の 3 本と、間をあけない対照 |
| 回数を変えた測定 | 間をあけずに 10 ターン。一度もしない・5 ターン目の後に 1 回・2〜9 ターン目の後に毎回(8 回)の 3 本 |
| 席を外している間の要約 | 資料を毎ターン貼り直した会話(約 14.4 万トークン)を、端末(tmux)で開いたまま 65 分置いた |
| 確認の問い | 最後に「書き方の決まり 8 つ」「最初に貼った文章の第2章の最初の一文(一字一句)」「直した段落」を尋ね、答えをプログラムで採点した |
| 費用 | 公式の料金で換算(入力 $2・1 時間保持のキャッシュへの書き込み $4・キャッシュからの読み出し $0.10・出力 $10、1M トークンあたり)。要約の呼び出しは出力を含め、ターンの出力は比べる対象の外 |
回数を変えた測定の数
| /compact の回数 | ターンの入力 | 要約の呼び出し(入力+出力) | 合計 | しない場合との比 | 10 ターン目の入力 | 確認の問い(決まり・直した段落・原文の一文) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 一度も /compact しない | $0.2440 | — | $0.2440 | — | 56,308 トークン | 8/8・4/4・書けた |
| 区切りで 1 回(5 ターン目の後) | $0.2730 | $0.0245 | $0.2975 | 1.22 倍 | 24,912 トークン | 8/8・4/4・書けない、と答えた |
| 毎ターン(2〜9 ターン目の後・8 回) | $0.3754 | $0.2967 | $0.6721 | 2.75 倍 | 19,055 トークン | 8/8・4/4・書けない、と答えた |
ターンの出力(参考・比べる対象の外): 一度も /compact しない $0.0320・区切りで 1 回(5 ターン目の後) $0.0338・毎ターン(2〜9 ターン目の後・8 回) $0.0278
設定はどこで変えるか
要約の動きは、設定ファイル(~/.claude/settings.json など)か環境変数で変えられます。名前と値は、Claude Code の公式の説明(設定の一覧・環境変数の一覧)のとおりです。
| したいこと | 設定ファイル | 環境変数 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 席を外している間の自動の要約を止める | "idleCompaction": false |
— | true にしても、それだけでは有効にならない |
| 席を外している間の要約が働く会話の大きさを下げる | — | CLAUDE_CODE_IDLE_COMPACT_MIN_TOKENS=100000 |
既定は 20 万トークン。10 万より小さい値は 10 万になる |
| 自動の要約をすべて止める | "autoCompactEnabled": false |
DISABLE_AUTO_COMPACT=1 |
席を外している間の要約も止まる。手で打つ /compact は使える |
| 要約を画面に出すだけにする | — | — | /recap は要約を画面に出すだけで履歴を置き換えないので、キャッシュは残る |
設定するときの注意点です。
- 要約の呼び出しは原則 5 分保持: 要約の呼び出しは会話の外の呼び出しなので、キャッシュは 5 分保持です(公式・提供元が決める一部の補助の呼び出しは 1 時間)。
- 席を外している間の要約は PC が起きている必要がある: 席を外す間に PC がスリープすると、54 分の時点で要約が行われません。
- 要約の後は指示ファイルを読み直す: 指示ファイル(AGENTS.md・CLAUDE.md)を書き換えた後に /compact すると、書き換えた指示が読まれます。
この結果の読み方
- 各条件 1 回の測定です: 費用の比(43%・85%・122%・2.8 倍)は、1 回ずつの結果です。
- 1 種類の作業で測った: 長い資料の書き直しの作業だけで測りました。要約で何が残るかは、作業の中身で変わる可能性があります。
- 10 ターンでは、要約を重ねても直した段落は落ちなかった: 毎ターン要約した会話でも、そのときまでの直しは毎回の要約に残っていました。もっと長い会話では、重ねるうちに落ちる可能性があります。
- 費用は公式の料金での換算です: サブスクリプションでは、費用はお金ではなく、利用枠の減り方として表れます。